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Autotune / オートチューン

max/msp

Autotuneとは

Autotuneとは、antares社がヴォーカリストの不安定なピッチを補正するために開発し、レコーディングスタジオでは今や業界標準ともなったピッチコレクティングプラグインです。今回はこのオートチューンの応用的な使用法を元にしています。
このプログラムが生成する音響は、オートチューンの弱点を、あえて積極的に音色加工に利用した、ダフトパンクやパフュームのヴォーカルパートで聞かれる音色で、日本でケロりと呼ばれているテクニックです。

輸入代理店イーフロンティアHPからの引用

多くの音楽関係者がボーカルのイントネーション(音程や抑揚)の問題に頭を悩ませています。
完璧なシンガーでも正確な音程を保ちつつ感情を込めて歌うことは容易なことではありません。そのためレコーディングエンジニアは莫大な時間をかけて編集をおこなってきました。autotune

そうした問題を一挙に解決し、いまや業界標準となった、Auto-Tune。最新のバージョン5ではオリジナルパフォーマンスのニュアンスを変えずにイントネーションのみを修正できる、というレベルまで精度が向上しました!

オートマティックモードでは入力された音声信号の検出を自動的におこない、指定したスケール(メジャー、マイナー、クロマティック、その他26のスケール)に瞬時に適応させます。パフォーマンススタイルにあわせたレチューンスピードの設定をおこなうことも可能です。
さらに微調整をおこなうにはグラフィカルモードが便利です。検出された音程は瞬時にグラフ化され、ペンツールで自由自在に編集ができます。音楽的に意味のある外した音はあえて補正しないという選択も可能です。
http://content3.e-frontier.co.jp/products/antares/at/

Max/MSPで実装

Max/MSPでAutotuneの原理を実装するにあたっては大きく分けて、音声の分析、データのスケーリング、音響処理の3つのセクションが設けられています。Autotuneとの大きな違いはMax/MSPはリアルタイム音響処理のためのソフトウェアであるという点です。つまり、これまでAutotuneを使用していたため、ライブパフォーマンスで再現不可能であったケロりをリアルタイムパフォーマンスに盛り込むことも可能になります。これは歌だけではなく、ナレーションなどさまざまな場面に応用可能です。

Max/MSPで実装したこのプログラムはケロりだけでなく、ロボットのようにピッチが固定された音声、リアルタイム和声付け、ノートルダム楽派のように定旋律のグレゴリオ聖歌の声部のロングトーンと、細かいメリスマのポリフォニックなピッチの組み合わせのような音響の生成をリアルタイムに行うことが可能になります。

分析セクション

max/msp

分析のセクションは左上部の部分で行われており、IRCAMのGABORオブジェクトを2種類使用します。一つはgbr.slice~オブジェクト、もう一つはgbr.yinオブジェクトです。 gbr.slice~はどのような周期や精度で信号の解析を行うかを指定するオブジェクトになります。このプログラムの例では100サンプルごとに1764ポイントに分割した周波数ごとのデータを次のgbr.yinオブジェクトに渡しています。

gbr.yinオブジェクトは gbr.slice~オブジェクトから送られてくるデータから突出したピッチを検出する機能があります。このプログラムでは検出する最小の周波数を50Hz、スレッショルドを0.8に設定しています。この2つのオブジェクトを利用して、音声の中から必要な情報を抽出します。

ircamircam 

スケーリングセクション

max/msp

スケーリングのセクションでは分析で得られたピッチのデータを、音響処理に利用しやすいように加工します。

まず、gbr.yinオブジェクトが吐き出す値は周波数であるため、一旦これをmidiノートナンバーに変換するためにftomオブジェクトを使用します。midiノートに変換することで微分音が取り除かれ、1オクターブは12半音のみに分割され、アナログのようななだらかなピッチの変化も階段状にジグザグに変化することになります。

変換されたmidiノートのデータは過去平均10個分の数値を算出するために、bucketオブジェクトとpackオブジェクト、meanオブジェクトを使用します。これで過去10個分の平均を求めることができます。この平均値を求めた理由は、音声の突発的なピッチの跳躍を相殺するためです。

更にこのピッチのデータを音響処理セクションに送る際に、何ミリ秒ごとにデータを更新するかをコントロールしています。数秒間同じピッチデータを保持することで、より人工的なピッチの変化が発生するので、用途に応じてDetectCycleのパラメータを変更してみてください。
デフォルトでは280ms毎にピッチのデータが更新されます。この処理に使用しているオブジェクトはintオブジェクトとmetroオブジェクトです。

音響処理セクション

ircam

音響処理にはIRCAMのpsych~オブジェクトを使用しています。このオブジェクトが今回の処理の心臓部にあたります。

このオブジェクトはコラールのようにポリフォニックなピッチの組み合わせで音響を加工するハーモナイザーです。このオブジェクトを利用し、前述のスケーリングセクションから得られたデータを使って自動的にピッチシフト/ハーモナイズを行います。このオブジェクトのみフリーではないため、使用するためにはIRCAMから購入する必要があります。

http://forumnet.ircam.fr/708.html?&L=1

必要なエクスターナルオブジェクトのダウンロード

FTM (IRCAM)
フリー

http://ftm.ircam.fr/index.php/Main_Page

Pitch Synchronous Yin-based Choral Harmonizer (IRCAM) 有料

http://imtr.ircam.fr/index.php/Max/MSP_externals

Youtube

Max/MSPパッチのダウンロード

autotuner.maxpat (for Max5.x)
max5Runtime(上記のMaxパッチの実行用フリーソフトウェア for Mac)
max5Runtime(上記のMaxパッチの実行用フリーソフトウェア for win)


Max/Msp Algorithmic Computer Music Online Tutorial