max/mspにて歌声などのモノフォニックな音声信号をクロマティックな音階のピッチに自動補正、スケーリングするためのVSTプラグインを作りました。
若者ならご存知パフュームという3人組の日本のポップグループのようなヴォーカルの音声処理が可能になります。微分音やポルタメントなどの歌唱法の場合ピッチの自動補正が顕著になります。
summer sonic 08にも出演するようですね。Perfume。
http://www.summersonic.com/08/lineup/index.html
結成10周年、 メジャーデビュー5周年記念! Perfume LIVE @東京ドーム 「1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11」【通常盤】 [DVD]
徳間ジャパンコミュニケーションズ 2011-02-09 |
ご存知、ヴォーカリストの不安定なピッチを補正するために開発され、レコーディングスタジオで大ヒットしたプラグイン、オートチューンの応用的な使用法を元にしています。
このプラグインの音色は、オートチューンの弱点をあえて積極的に音色加工に利用したダフトパンクやパフュームのヴォーカルパートで聞かれる音色で、日本でケロりと呼ばれているテクニックです。
"Perfumer.vst"サンプルのサウンドファイル
http://akihikomatsumoto.com/download/snd/perfumer.mp3
これはAuto-Tuneとは違い、リアルタイムで自動でかけられるようなエフェクトになってます。つまり、編集、加工をせずともただプラグインを接続して歌うだけでロボットの歌のような人工的な音色になります。
Perfumerはmax/mspにてパッチ/アルゴリズムを作っていますが、内部オブジェクトだけでなくフランスの国立音響研究所ircamのピッ
チの検出のためのオブジェクトとピッチをスケーリングするためのオブジェクトなども組み合わせています。
このアプローチは私も出演した第六回Tokyo Max User
Groupのオリヴィエさん(ircamの作曲家/プログラマー/サウンドテクニシャン/ポピュラー音楽のプロデューサー)の講演でのmelodyneのような加工をmax/mspで行うための解説をヒントにしたものです。
制作環境や参考文献はネットでしか手に入らないものがほとんどですが以下のものです。
Max/MSP 5 + Jitter 日本語版
イーフロンティア(カメオインタラクティブ) 2008-11-28 |
コンピュータ音楽―歴史・テクノロジー・アート Curtis Roads 青柳 龍也 後藤 真孝 東京電機大学出版局 2001-01 |
2061:Maxオデッセイ―音楽と映像をダイナミックに創造する!最高の開発環境を徹底解説 ノイマンピアノ リットーミュージック 2006-10 |
Designing Sound Andy Farnell The MIT Press 2010-10-29 |
プラグインのマニュアルというパラメータを使用すると、自動補正ではなく、midiノートナンバーに対応した数値を手動でコントロールすることでピッチを強制的に指定値に補正します。
これを利用するとヴォコーダーとは少し違った感じで歌声のピッチを強制的にシフトできます。
フォーマットはAU,VST,RTASに対応しています。ダウンロードはフリーで以下から
"Perfumer.vst"
現在不具合があり、停止しており最新のスタンドアロン版のみ提供しています。
http://akihikomatsumoto.com/download/index.html
// 最新版はスタンドアロンになります。制作技法やソースの詳細は以下のページから //