音響を学びたい人におすすめする教科書、参考書

最近、音響やシンセシス、音響処理を独学で勉強したいので、いい参考書を教えてくださいと聞かれることが多いので、自分が勉強に使ってきた3冊の教科書、参考書を紹介したいと思います。
以下はあくまで音響について的を絞ったおすすめの参考書、教科書です。

まずは、コンピュータミュージックジャーナルの責任者であったCurtis Roads氏のComputer Musicの翻訳版
コンピュータ音楽―歴史・テクノロジー・アート

コンピュータ音楽、音響プログラミングを学ぶ上で必要な理論や技術が凝縮されています。
主なトピックはデジタル音響合成、サンプリングと加算合成、多重波形テーブル合成、グラニュラー音響合成、ミキシング、信号処理、空間低位と残響、スペクトル分析、音楽のインターフェイス、アルゴリズム作曲システム、MIDI、音響心理学、フーリエ解析など。
これ一冊で基本的な概念はほとんどカバーできます。実用性というよりは、基礎理論を学ぶ教科書という感じです。

次にアメリカの作曲家であるCharles Dodge氏の
Computer Music: Synthesis, Composition, and Performance

こちらはアメリカの大学で広く使われている教科書で、コンピュータ音楽の作曲家Dodgeが書いているだけあって、より作曲の即戦力になるようなプログラムが多数掲載されています。
主なトピックは、コンピュータ音楽の基本、プログラミング、オーディオシンセシス、ソフトウェア、音響と耳、ピッチ、音律、音色、音楽認知、サンプリング、音響合成の基本、ディストーションシンセシス、サブトラクティブシンセシス、アナリシスベーストシンセシス、グラニュラーシンセシス、フィジカルモデリング、音響定位、残響、コンピュータを使った作曲技法、ランダムプロセス、確率理論、トランジションテーブル、ランダムウォーク、フラクタル、カオス理論、確定的アルゴリズム、セリー音楽、カノン、モチーフの生成、リアルタイムパフォーマンスのためのコンピュータなど。

最後の一冊は音響そのものについてより深く掘り下げたThomas Rossingの
The Science of Sound

音響心理学、音響学の授業でよく教科書にしていされる本です。
音響とはなにかから始まり、音波、音圧、振動系、波動、共鳴、ラウドネス曲線、ピッチと音色、音の組み合わせとハーモニー、音階と音律、聴覚、弦楽器、金管楽器、木管楽器、打楽器、鍵盤楽器、発声器官、スピーチシンセシス、電子回路、スピーカー、マイク、アンプ、チューナー、デジタル音響処理、録音、空間の音響、アナログ電子音楽の技術、デジタルシグナルプロセッシング、コンピュータ音楽と疑似音響、空間の雑音、雑音の効果、雑音の操作などがトピックになっています。
これはかなり音そのものについて深く勉強したい人向けです。数学や物理を使って、音響現象や聴覚の仕組みについて説明しています。我々がどのように音響を知覚しているかを知ることは、作曲にもおおいに役立つことと思います。

以上3冊と最低限の数学、物理の知識があれば音響プログラミングをするにあたっての、おおよその基礎知識や理論の勉強は事足ります。音響は感覚や経験に頼る人が多いですが、私は非効率的だと思います。最低限の勉強をした上で、感覚的に音を作っていくほうが、思い描いているものを形にするには近道でしょう。

私の個人ホームページでも音楽のための音響学や数学、物理学に関する解説をしています。一気に書き上げることが出来ないのですが、少しずつ内容を追記して日々ボリュームアップを図っています。

Max/MSPアルゴリズミックコンピュータミュージックチュートリアル
http://akihikomatsumoto.com/maxmsp/

音響心理学
http://akihikomatsumoto.com/maxmsp/psychoacoustics.html

Computer Music: Synthesis, Composition, and Performance
Computer Music: Synthesis, Composition, and Performance

おすすめ平均 star
アメリカの大学で広く利用されているコンピュータ音楽の教科書。著者は電子音楽の作曲家、Charles Dodge。特にコンピュータを用いた作曲技法の項ではカオス、フラクタルから確率理論など様々な題材がプログラムのソースコード付きで解説されている。
主なトピックは、コンピュータ音楽の基本、プログラミング、オーディオシンセシス、ソフトウェア、音響と耳、ピッチ、音律、音色、音楽認知、サンプリング、音響合成の基本、ディストーションシンセシス、サブトラクティブシンセシス、アナリシスベーストシンセシス、グラニュラーシンセシス、フィジカルモデリング、音響定位、残響、コンピュータを使った作曲技法、ランダムプロセス、確率理論、トランジションテーブル、ランダムウォーク、フラクタル、カオス理論、確定的アルゴリズム、セリー音楽、カノン、モチーフの生成、リアルタイムパフォーマンスのためのコンピュータなど。

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Science of Sound, The (3rd Edition)
Science of Sound, The (3rd Edition)

音響、音響心理学の教科書として広く利用されている。
音響とはなにかから始まり、音波、音圧、振動系、波動、共鳴、ラウドネス曲線、ピッチと音色、音の組み合わせとハーモニー、音階と音律、聴覚、弦楽器、金管楽器、木管楽器、打楽器、鍵盤楽器、発声器官、スピーチシンセシス、電子回路、スピーカー、マイク、アンプ、チューナー、デジタル音響処理、録音、空間の音響、アナログ電子音楽の技術、デジタルシグナルプロセッシング、コンピュータ音楽と疑似音響、空間の雑音、雑音の効果、雑音の操作などがトピックになっている。 これはかなり音そのものについて深く勉強したい人向け。数学や物理を使って、音響現象や聴覚の仕組みについて説明がある。我々がどのように音響を知覚しているかを知ることは、作曲にもおおいに役立つ。

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コンピュータ音楽―歴史・テクノロジー・アート
コンピュータ音楽―歴史・テクノロジー・アート

おすすめ平均
コンピュータミュージックジャーナルの責任者であったCurtis Roads氏のComputer Musicの翻訳版。コンピュータ音楽―歴史・テクノロジー・アート コンピュータ音楽、音響プログラミングを学ぶ上で必要な理論や技術が凝縮されている。 主なトピックはデジタル音響合成、サンプリングと加算合成、多重波形テーブル合成、グラニュラー音響合成、ミキシング、信号処理、空間低位と残響、スペクトル分析、音楽のインターフェイス、アルゴリズム作曲システム、MIDI、音響心理学、フーリエ解析など。 これ一冊で基本的な概念はほとんどカバー可能。実践という枠にとどまらず基礎理論を学べる教科書。

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2061:Maxオデッセイ―音楽と映像をダイナミックに創造する!最高の開発環境を徹底解説
2061:Maxオデッセイ―音楽と映像をダイナミックに創造する!最高の開発環境を徹底解説

IAMASの赤松氏が書かれたMax/MSPに関する書籍。扱われているパッチはライブラリとしてウェブからダウンロードすることも可能なので、ちょっとした辞書のようにも利用することが可能。Maxのみならず、デジタルオーディオやFFTの基礎理論についても音楽家にわかりやすいような説明がある。このような書籍はなかなか日本語でお目にかかれることがないので、貴重な一冊。

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