Max/MSPでLinear Predictive Coding 通称LPC (線形予測符号)と呼ばれる音響処理によって、湯浅譲二先生の Study in Whiteのような音声の加工の実験をしました。
次の作品のための土台作りです。
このMaxパッチを利用すると完全なホワイトノイズから元の音声までシームレスに変形できます。
途中の過程では子音のみが強調されたサウンドを作り出すことも可能で、様々な形体の作品に応用可能な技術です。
これはリアルタイムに実行可能で、人間の声を利用したコンピュータ音楽のライブ作品を作るために製作中です。
元ネタになっている湯浅譲二先生のStudy in Whiteは以下のCDに収録されています。20年以上前からこのような先駆的なコンピュータ音楽をやっていた湯浅先生のスタイルは、コンピュータが簡単に手に入るようになった21世紀現在、ようやく大規模なスタジオから解放され、ラップトップで実行可能になりました。
フェイズボコーダーやグラニュラーシンセシス、FFTなどは新しいエフェクトだと誤解している人が多いですが、一般的なパソコンで実行できるようになったのが最近というだけで、ほとんどのアルゴリズムや理論は20年以上前から欧米の現代音楽家や技術者によって生み出され作品制作に応用されてきたものです。
Computer Music Currents 7
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