エストニアの作曲家、 Arvo Pärt アルヴォペルトの1964年の Solfeggio という作品に内在する作曲様式をモデル化し、Max/MSPで音楽生成アルゴリズムを構築し音楽を生み出してみました。パッチを見てわかるように、非常に単純な作曲規則です。
このページではペルトの別の作品のアルゴリズムもモデル化して紹介しています。
http://akihikomatsumoto.com/maxmsp/arvo.html
彼の作品を分析していて気付くのが、やはりミニマリストだということ。
一般的にミニマル音楽というと、反復がベースになっている音楽というイメージで、ペルトの音楽はループしている部分等はなく反復感はありませんが、極めて少ない素材と規則から驚くほど多様な音楽の色彩を生んでいるお手本のような作曲技法です。
かといって、世の中の音楽の全てがこんなに単純なアルゴリズムから構成できるかというとそれは別です。カオス理論やフラクタルなどの複雑系と実際の自然現象との関係に似てますね。近いものを単純な規則から生成することはできても、単純な規則で世界の全てを定義できるわけではないという実体。
話は脱線しましたが、作曲は複雑なことをやらなければ成立しないと誤解しているかたは、ぜひペルトの音楽に触れていただきたいです。音楽の作り方は自由です。
BEATUS Arvo Part Virgin 1997-09-01 |
Arvo Part (Oxford Studies of Composers)
Oxford Univ Pr (Txt) 1997-06-19 |