昨日はSOURCE CORDお越し下さったみなさま、ありがとうございました。超満員につき入場規制すみませんでした。
モジュラー使いとしては超邪道なのですが、あくまで「音楽の質」というところにフォーカスして必要以上にモジュラー完結させないハイブリッドプレイをする4人を集めました。どうでした?
VJのみなさんも土壇場で緊急招集させていただいて、あんまり時間がない中熱意持ってやっていただいて大感謝です。
途中でちょろっと楽屋行ったらScott Allenさんが最後の追い込みですといってギリギリまでプログラムを丁寧に仕込んでいて、「お仕事」でしか見ない光景でなんだかとても嬉しかったです。
僕のセットはコンピューターの演算能力やUIがあるほうが演奏しやすい部分はMaxで自作したソフトウェアモジュールからCVを作ってモジュラーシンセを制御してたりします。ソフトシンセは全く使ってないんだけど理由は即興的なリアルタイム操作がしにくいから。全編即興。一度限りの音楽です。
コンピューターのキーボードにもコマンドが仕込んであって、キー叩くとランダムではなく独自のアルゴリズムに従って松本印のフレーズが自動生成されて、それをモジュラーシンセに即座に送り込んで、音色も生み出されたフレーズに合わせてその場で考えて作ってっていうのが10トラックあるシステムです。
演奏としては何が再生されるか半分予想がついて半分予想がつかない10デッキ使ってDJ Mixしてるような感じでかなり練習しないと音楽にならないんだけど、ライブという場での即興演奏を通じてしか作り出しにくいミラクルな音楽が生まれるようにシステムを設計してて演算装置とのセッション感もあります。
だからモジュラーシンセを使って何か面白い音楽を作ろうとしてるというより、「作曲」とは違う「演奏」による即興音楽を追求しようとした結果消去法でモジュラーを使うようになったんですよね。2016年にアルゴリズミックなピアノアルバム出して、その次は「演奏」にフォーカスした音楽やりたいなと思い
http://akihikomatsumoto.com/works/preludesforpianobook1.html
「Preludes for Piano Book 1」は演奏性や頭脳による作曲というヒューマンな部分を一切排除した先に見えるピアノ音楽を探求した作品で、このアルバムの次に一番逆の音楽やろうとした逆コースなんですよねモジュラーによる即興シリーズは。即興に聞こえないかもしれないけど。
即興音楽っぽく聞こえるかどうかは自分の中ではあんまり大事じゃなくて、アルゴリズミックなコンピューターと人間の即興的なインタラクションによる新しい音楽みたいなのは個人的な歴史への挑戦でお客さんに強いるものではない部分だから、お客さんには作り込まれた普通の音楽に聴こえたほうが正解だと思ってます。