SONYからオールドレンズファンにも嬉しいフルサイズミラーレスカメラα7がリリースされました。上はSONY α7 : Contax G Planar 45mmf2による撮影。
フルサイズのデジタルカメラに他社のオールドレンズを装着し撮影するにはこれまでLeica Mマウントやフランジバックの長いものをCanonの一眼レフ用のEFマウントに変換して撮影するなど、条件が限られていました。
フルサイズというのはセンサーのサイズが35mmフィルムのサイズということで、これまではデジタルミラーレスではAPS-Cサイズが限界でした。
これはアナログで言う35mmよりも小さなサイズのフィルムに撮影しているのと同じ状態で、レンズの焦点距離は1.5倍になったり、被写界深度が深くなったりという弊害が生じていました。(メリットでもある)
SONY α7はフルサイズのEマウントで、フランジバックがとても短いため、あらゆる時代のあらゆるメーカーの規格のレンズをマウントアダプタを介せば装着可能なためレンズの選択肢が非常に広いです。
SONY以外で他社製品のレンズまでユニバーサルに使えて、ここまで選択肢が広いカメラはありません。
レンズをまるでエフェクターのように純正以外のいろいろなメーカーレンズに付け替えることができます。
最先端のzeissレンズから20世紀初頭のライカレンズまで装着できるボディーというのは未だかつて無かったのではないでしょうか。
カメラに限らず、あらゆるもののハブになる存在の大きさというのはgoogleのサービスや電子書籍からiTunes、iPhoneまでを牽引するappleなどからも感じるかと思います。
カメラの話題ではありませんが、Max/MSPが支持される理由としてあらゆる機器やプロトコル、言語のハブになっているという点は大きいと思います。
絵の具の感覚でコロコロレンズを使い分ける人にはなかなか良いカメラだと思います!
オールドレンズの比較はあえて似たようなショットにしているので、リンク先からドットバイドットで表示してディテールの違いを見比べないと一見すると同じ写真にどれもこれも見えるかもしれません。
SONY α7 : Contax G Planar 45mmf2
ですが、輪郭の描きかたや光の受け止めかたなど、ピクセル単位で拡大して見て行くとかなりレンズによって個性があります。
1ピクセルの差がもの凄く大きくなる下のような作品の作り方もあるので、人によっては細部は重要でしょう。
α7はセンサーが高画素、高性能なので、手持ちの撮影は注意が必要です。
ぶれていないにしても、遠景のディテールなどは三脚で固定した写真と手持ち撮影での写真とで同一設定で(例えば絞りF8のシャッタースピード1/300)撮影し多場合に解像感に差が出ることを確認できると思います。
シャッタースピードが1/300出ているのに遠景の細かい部分が高性能なα7とは思えないほど、何かぼやけた感じになる場合はカメラを固定してみると本来の実力を引き出すことができる場合もあると思います。
では撮り比べ
1.Contax G Biogon
ビオゴンは後玉が飛び出していてセンサーに急な角度で光が入る関係で条件によっては周辺にマゼンタ被りが出てしまいます。
感触としてはNEX5Nと変わらないです。
加えて、画角が広くなる(レンズの周辺領域まできちんと使う)ことによって、周辺減光がAPSで使うよりも目立つように感じます。
SONY α7 : Contax G Biogon 28mmf2.8
SONY α7 : Contax G Biogon 28mmf2.8
SONY α7 : Contax G Biogon 28mmf2.8
SONY α7 : Contax G Biogon 28mmf2.8
SONY α7 : Contax G Biogon 28mmf2.8
SONY α7 : Contax G Biogon 28mmf2.8
SONY α7 : Contax G Biogon 28mmf2.8
SONY α7 : Contax G Biogon 28mmf2.8
SONY α7 : Contax G Biogon 28mmf2.8
SONY α7 : Contax G Biogon 28mmf2.8
SONY α7 : Contax G Biogon 28mmf2.8
SONY α7 : Contax G Biogon 28mmf2.8
SONY α7 : Contax G Biogon 28mmf2.8
SONY α7 : Contax G Biogon 28mmf2.8
2.Contax G Planar
プラナーはフルサイズでは万能な標準レンズとして機能すると思います。
ビオゴンほど輪郭はパキっとしていませんが、やわらかい雰囲気があります。
SONY α7 : Contax G Planar 45mmf2
SONY α7 : Contax G Planar 45mmf2
SONY α7 : Contax G Planar 45mmf2
SONY α7 : Contax G Planar 45mmf2
SONY α7 : Contax G Planar 45mmf2
SONY α7 : Contax G Planar 45mmf2
SONY α7 : Contax G Planar 45mmf2
SONY α7 : Contax G Planar 45mmf2
SONY α7 : Contax G Planar 45mmf2
SONY α7 : Contax G Planar 45mmf2
SONY α7 : Contax G Planar 45mmf2
SONY α7 : Contax G Planar 45mmf2
SONY α7 : Contax G Planar 45mmf2
ちなみにプラナーで動画を撮影するとこういう感じになります。
HD解像度にしないとyoutubeの圧縮でブロックノイズが凄いですが。
3.Contax G Sonnar
フルサイズで一番使い勝手が良くなったGレンズがゾナーではないでしょうか。
APS-Cだと望遠ですが、90mmだとちょっとしたポートレートでも使えますし、京セラのオリジナルの時代はオートフォーカスが合わないという不本意な理由で避けられていたこのレンズが、ようやく本来の性能を発揮できるときがきたのだと感じます。
SONY α7 : Contax G Sonnar 90mmf2.8
SONY α7 : Contax G Sonnar 90mmf2.8
SONY α7 : Contax G Sonnar 90mmf2.8
SONY α7 : Contax G Sonnar 90mmf2.8
SONY α7 : Contax G Sonnar 90mmf2.8
SONY α7 : Contax G Sonnar 90mmf2.8
SONY α7 : Contax G Sonnar 90mmf2.8
SONY α7 : Contax G Sonnar 90mmf2.8
SONY α7 : Contax G Sonnar 90mmf2.8
SONY α7 : Contax G Sonnar 90mmf2.8
SONY α7 : Contax G Sonnar 90mmf2.8
SONY α7 : Contax G Sonnar 90mmf2.8
SONY α7 : Contax G Sonnar 90mmf2.8
SONY α7 : Contax G Sonnar 90mmf2.8
4.Voigtländer Nokton
ノクトンはAPSに比べると周辺減光が大きくなったように感じます。
その領域はクロップされて今までNEXでは見ていなかったので、あらためて使い方が変わってきそうです。
APSでは換算60mmで広角にはなり得なかったのですが、フルサイズだと広角と標準の中間の使い方が可能になります。
5.Voigtländer Ultra Wide Heliar
フォクトレンダーウルトラワイドヘリアー12ミリF5.6ライカMマウント用超広角レンズですが、最大の特徴はディストーション(歪曲)の低さと中心の解像度、そしてシアン気味のこってりした色味です。
絞り開放で撮影すると周辺光量不足が目立ちますが、それが味になります。
一眼レフとは違う、レンジファインダーならではの設計でそれが小型化を実現しています。最短撮影距離は0.5mですが、ヘリコイド付きマウントアダプターを使用すればレンズにぶつかるほどの距離で撮影ができます。
SONY α7 : Ultra Wide Heliar 12mmf5.6
SONY α7 : Ultra Wide Heliar 12mmf5.6
SONY α7 : Ultra Wide Heliar 12mmf5.6
SONY α7 : Ultra Wide Heliar 12mmf5.6
SONY α7 : Ultra Wide Heliar 12mmf5.6
SONY α7 : Ultra Wide Heliar 12mmf5.6
SONY α7 : Ultra Wide Heliar 12mmf5.6
SONY α7 : Ultra Wide Heliar 12mmf5.6
SONY α7 : Ultra Wide Heliar 12mmf5.6
6.Carl Zeiss Jena Flektogon
フレクトゴン20mmは貴重な超広角レンズです。
現状カラースコパーやビオゴン21mmはマゼンタ被りが大きいらしいので
実用には工夫が必要なのですが、フレクトゴンはエキザクタマウントのレトロフォーカスなせいか大して影響はありません。
しかし、オールドレンズなので、淡い色合いと共に緩いフォーカスを伴うので、現代ツァイスのようなしゃきっとした解像感やコントラストはありません。
しかしながら、立体感があり、ディテールが浮かび上がる感じがあるところが不思議なところです。
オールドギターもローファイながらタッチのコクが出るという点で似ている世界ですね。
SONY α7 : Carl Zeiss Jena Flektogon 20mmf4
SONY α7 : Carl Zeiss Jena Flektogon 20mmf4
SONY α7 : Carl Zeiss Jena Flektogon 20mmf4
SONY α7 : Carl Zeiss Jena Flektogon 20mmf4
SONY α7 : Carl Zeiss Jena Flektogon 20mmf4
SONY α7 : Carl Zeiss Jena Flektogon 20mmf4
SONY α7 : Carl Zeiss Jena Flektogon 20mmf4
SONY α7 : Carl Zeiss Jena Flektogon 20mmf4
SONY α7 : Carl Zeiss Jena Flektogon 20mmf4
SONY α7 : Carl Zeiss Jena Flektogon 20mmf4
7.Leica Summar
ズマールはフルサイズになることで標準レンズとして使い勝手は良くなると思います。
APSでの50mmは特に室内だと中望遠が邪魔をして撮影ができないこともしばしばあったのですが
ようやくオールマイティーに使う機会が来そうなレンズです。
前ボケやハロ、フレア時の薄いシルクのようなベールがこのレンズの魅力です。
8.Canon 35mm F1.8 (Lマウント)
canonの1956年製のライカLマント用レンズです。フレアが光のシャワーのように作れるレンズなのですが、このような効果は現代のレンズでは絶対無理です。
こういうゴーストやフレアを無くそうと技術革新が進んだ歴史がレンズの歴史であるからです。
SONY α7 : Canon 35mm F1.8 (Lマウント)
SONY α7 : Canon 35mm F1.8 (Lマウント)
SONY α7 : Canon 35mm F1.8 (Lマウント)
SONY α7 : Canon 35mm F1.8 (Lマウント)
SONY α7 : Canon 35mm F1.8 (Lマウント)
SONY α7 : Canon 35mm F1.8 (Lマウント)
おまけに現行のSONY FEマウントレンズです。
9. SONY SEL2470Z
ZEISSの24-70mmのズームレンズです。
ズームなので、当然湾曲は凄くあります。
描写はオールドレンズとは明らかに違うモダンなコントラストと発色で、コンピューターのディスプレイ映えする写りですが、これは動画を意識した設計なんだと思います。
インターナルフォーカスでモーター音がしません!!
10. SONY SEL55F18
フルサイズEマウントのSONY純正唯一の標準レンズです。
55mm f1.8は解像度がとにかく高く、ズームレンズとは一味違う写りになります。
画角的には風景から人物まで万能にこなせる焦点距離です。
なお、これらの写真はSONYα7での撮影です。
正直、ローパスフィルターがカットされているα7Rにするか迷ったのでα7Rで撮影するとどうなるのかも非常に気になるところですね。
ちなみに、α7はセンサーに入ってくる光をHDMIからスルー出力(画面表示などを除いたデータ)できるのでBlackmagic DesignsのIntensity Extreamを利用すればコンピュータにリアルタイムに映像入力を行えます。
詳細
α7などのミラーレスカメラを非圧縮Webカムに変えるBlack MagicのHDMIキャプチャー Intensity Extreme
http://akihikomatsumoto.com/blog/?p=1351
SONY α7 : Canon 35mm F1.8 (Lマウント)
つまり、USTREAMやスカイプもα7をwebカメラとして利用できるわけです。
高品質なUST配信を考えている人は要注目のシステムです。
昨今のクリエイティブコーダーには必須のMax/MSPでもBlackmagicからα7のHDMIはリアルタイムキャプチャーできます。
α7はオールドレンズから最新のキャプチャー機器、コンピュータプログラムまで新旧デバイスを組み合わせて、枯れた技術をいかに水平思考で洗練させて新しいものをつくるかということを考えている人にはいいと思います。