フェンダーのストラトキャスターは究極の万能ギター!

投稿日: カテゴリー: Guitar

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ストラトとレスポールはギター界の二大巨頭ですが、実際のところあらゆるジャンルに万能なギターというとストラトのほうが圧倒的な人気があるようです。

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フェンダーのストラトキャスター (Fender Stratocaster)は1954年にLeo Fender, Bill Carson, George Fullerton, and Freddie Tavaresによってデザインされたエレクトリックギターで、カントリーからロック、ポップス、ファンクからメタルまであらゆるジャンルで利用される楽器です。
2014年には多額の負債をかかえているフェンダー社のてこいれとして、取締役にU2のボノとエッジが就任したことでも話題です。

ストラトキャスター / Stratocaster 1977

驚く事にストラトは1954年に発売されて以来、現在にいたるまで一度も生産を中止することなくゆるやかに仕様を変えながら販売を続けています。
一時期生産が落ち込んでいた時期にジミヘンが大々的に使ってフェンダー社が持ち返したことは有名です。

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トレードマークになっているヘッドストックはシュタウファーの19世紀ギターをイメージさせます。

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ストラトには年代によって様々な音の特徴がありますが、ボディー材はアッシュかアルダーが人気です。

50年代にはスワンプアッシュ、60年代にはアルダー、70年代中盤からホワイトアッシュと材が変遷していて、その他レアものとしてマホガニーやポプラ、バスウッド、ウォルナットなどのストラトが存在します。

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現代ではフェンダーにはカスタムショップがあり、マスタービルダーが一本一本手作りで楽器を制作するマスタービルドシリーズ、チームビルドシリーズがあります。

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この楽器はフェンダーカスタムショップ、ユーリ・シスコフ氏作のMBS 1961 ストラトキャスターのクローゼットクラシックです。

ユーリ氏のデスクを見るからに仕事の几帳面さが伺えます。

カスタムショップにはNOS、クローゼットクラシック、レリックの3種類がありますが、NOSかレリックのどちらかに人気が集中するそうです。

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なんでも、Fenderでは神田商会のフェンダージャパンが終了し、山野楽器の代理店業務が終了したところから直接楽器店に楽器をおろすようになったのですが、山野時代に日本人のシビアな目でちょっとした傷や塗装のはみ出しなどをハネて本国に戻していたため、クオリティーコントロールがきいてたそうなのですが、現在は山野の検品を通らずにお店に並ぶため、、、という感じらしいです。

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日本人とアメリカ人の気質はかなり違うので、日本人的なこまかさを求めるのは酷ですが、山野の企画であったマスターグレードシリーズ時にきちんと日本でオールドフェンダーのヘッドの型をおこして、より当時に忠実なギターを制作したところ本国でも気に入られ、通常ラインナップの型も山野でとった型に変更されたり、日本人の細かいうるさいところが本家フェンダーに結構影響を与えているようです。

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ストラトはコンバース並みにカラーバリエーションがあり、レアカラーも人気です。

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ピンクスパークルのストラトは塗装が当然ポリ塗装で、厚いのですが、これだけの大粒のグリッターが詰まった塗装というのは逆にラッカーの薄い塗装では見栄えが貧弱になります。
楽器は音だけ重視すればいいものではないところが設計者には難しいところですね。

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このピンクスパークルのストラトは指板のRも9.5でフレットはミディアムジャンボよりも太くて高いようなものが搭載されていて、見た目同様ギラついた音が出ます。

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レア材としてはウォルナットのストラトを何度かフェンダーは作ってます。古くは80年代のThe Stratやエリートシリーズもウォルナットのギターがあります。
音の特徴はとにかく、枯れない濁らない。温かみがある中域ですが、高域はパリんとした感じで硬いです。

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ストラトでいえばマホガニーのストラトに音の方向性は似てます。しかしマホガニーよりも音の分離はいいです。
ネックもウォルナットで指板はなんとエボニー。
フェンダーのギターでエボニー指板は珍しいです。
エボニーの音はローズより全然硬く、メイプルにも接近する音です。

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レア材では人気が高いのがマホガニー。
これはもとはModern PlayerシリーズのHSHのストラトを改造したものでADAGBEのダウンチューニングで12-60の弦で使用しています。
リアはダンカンのNazgul、フロントはP-Railsです。
センタートーンはプルでフロントP90部分とリアのタップが並列でミックスされます。

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この音もP90搭載のギブソンレスポールカスタムに近いです。
マホガニーはシングルコイルを鳴らしても全然枯れない音で、フェンダーらしい音が少しも出ないのですが、P90やハムバッカーの音は中域に粘りがあり低域の輪郭はアルダーやアッシュよりボケないので低音のリフ主体の音楽をやる人にはいい選択だと思います。
往年のヴィンテージトーンみたいなものは全く出ません!

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枯れた音が一番出るのはスワンプアッシュとメイプル指板の組み合わせのストラトだと思います。

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この楽器はFender Custom Shop ’56 Stratocasterです。アッシュの1ピースボディーで3.3kgと軽量です。この時期はワンピースが多く、54年55年に重さが重すぎるとのユーザーの声を反映し軽いアッシュがセレクトされてきた時期で、57年からはアルダーに変更されるのでアッシュの最後の時期のモデルです。

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コンデンサーはモントルーのRetrovibes F54です。
ピックアップはフェンダーカスタムショップがストラト60周年を記念して2014年に1954個限定生産したアルニコIIIのピュアヴィンテージ54ピックアップです。

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フレットは6105サイズ。指板9.5Rなのでフラットに近く、コードは押さえやすいです。メイプル指板と6105フレットと9.5Rの組み合わせは実はすごくいいです。ヴィンテージにはありえない仕様ですが、この年代のストラトのポテンシャルを強調したような音が出せます。

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1996-99年までわずかな期間生産され、現在のタイムマシンシリーズをFender Custom Shop伝説のラインナップのマスターグレードシリーズの’57ストラトキャスターです。
ピックガードはアノダイズドゴールドに交換してます。

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ネックは見事なバーズアイメイプル。バーズアイはハードメイプルにしか出ない杢なので、巷でささやかれるような強度の問題はありません。キルトやフレイムメイプルはソフトメイプルなのでネック材に使用するリスクはあります。

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マスターグレードはラッカー塗装の薄さを売りにしてますが、あくまでそれは90年代当時の技術。
現代のレリックシリーズに比べると10倍くらい塗装が厚いです。
ボディーの面取りは鋭角めです。そのためやや分厚く見えます。

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ピックアップは近年テキサススペシャル以上に定評があるFat’50sに交換してます。純粋な50年代初期のストラトの枯れ方ではないのですが、それでもヴィンテージフェンダートーンを維持しながらゴーンと響く骨太な芯があり、単音でも存在感のある音です。
付属しているmastergrade 50sピックアップは保管してますが、マスタービルドについているAbby PUにそっっくりな音です。オーソドックスなストラトトーン。

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所有するストラトで最も鳴りがいいのはイケベ楽器が別注した極薄ラッカー塗装のストラトです。
3トーンでも赤が太い仕様が再現されています。
塗装はとにかく薄いです。カスタムショップのマスタービルダーものより薄いですし、鳴りも一番すごいです。木そのものから音が響いてる感じの鳴り方です。

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塗装は種類というより、厚みが一番音に影響するんだろうなということを感じさせます。

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所有するストラトの中で最も重量があるのは1977年のホワイトアッシュのストラトです。
これは父親から譲り受けたもので、僕が生まれるより前から松本家にあります。
裸のラリーズのギタリストに貸して以来写真で見てもわかるくらいフレットがすり減ってしまってます。
現在修理に出していてFreedomのSpeedyという柔らかいステンレスのフレットに打ち替え中。
http://www.freedomcgr.com/Stainless%20frame.html

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ホワイトアッシュの音は古くは清原和博氏のバットにも使われていたくらい、とにかく硬い感じでニューウェーブのカキカキの時期のストラトです。
別にホームランっぽい音が出るわけではありません。
50,60年代のヴィンテージとは全くベクトルが違いますが透き通るようにクリアで低域も一番タイトです。
ハーフトーンもハイファイできれいなのでキラキラした音には一番向いてます。
この時期のストラトはピックアップのパワーが弱めで高音域が歴代で一番出ます。

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様々なストラトを比べて総じて感じるのはマスタービルダーものはやはり楽器として素晴らしいというか、弾きやすいです。
他のものはどこかならないポジションがあったりするのですが、全フレットスムーズに音が出ますし、サスティーンも長くリリースが綺麗に減衰していきます。
リリースの音の丁寧さはわりと値段に比例すると思います。

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よく言われる鳴りというのはフェンダージャパンでもきちんと作られたものはカスタムショップ以上に鳴ります。
しかし指板のフレット処理やネックの微妙な加工など、弾きやすさやなどの面ではダントツでマスタービルダーものの品質は高いです。
鳴るストラトというのは開放弦を弾くと3フレットあたりのネック裏の振動がかなり大きくなります。

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それと塗装に関しても一番カスタムショップがうまいです。特にクローゼットクラシックはゆくゆくナチュラルにレリックに進行していくように、先を見据えて塗装されている感じです。

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ピックアップは1950年代からフェンダー社で働くアビゲイル・イバラ女史によるAbby PUです!
これはカスタムショップ限定の手巻きPUです。

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フェンダー伝統の手巻きPUは現在はホセフィーナ・カンポス女史に引き継がれています。

いくつか持ってるフェンダーのストラトですが、自分の音楽性に合わせて必ずどのギターにもほどこす改造がいくつかあります。

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まずはトレモロスプリングをRAW Vintageに変更すること。
これは劇的に生鳴りがかわります。
ブリッジ裏のブロックはスティールであることが基本ですが、フェンダージャパンの一部ではダイキャストのブロックが搭載されているので、その場合はスティールに交換してます。
スティールかを判断するには磁石を近づけてくっつけばスティールということがわかります。

 Raw Vintage Tremolo Springs

 Raw Vintage Tremolo Springs
価格:1,580円(税込、送料別)

ストラトのトレモロスプリングはスプリングリバーブ効果があるので弦を張り替える以上にスプリングを変更すると音が変わります。
アームは使わないからスプリングのメンテはしてないという人は少なくないと思いますが、もう一つの共鳴弦のようなものなので慎重に選んだほうがいです。
音もメーカーによって全然違います。
中でもRaw Vintageはテンションが低いので5本掛けができて、鈴鳴りのような倍音が足されます。

もう一つ重要なのが、スプリングのテンションです!
スプリングリバーブを作ったことがある人ならわかると思いますが、スプリングがどれくらいのテンションではられているかで残響の音色のタイムも変わります。
当然ストラトの音色もトレモロスプリングの張力で変化するので、きつきつに張る状態からだるだるの状態までためしてみると面白いです。

http://akihikomatsumoto.com/blog/?p=54

サドルのイモネジはステンレスに交換してます。
ここをステンレス化すると鳴りが大きくなると同時に、錆び無いというメリットもあります。
直接手があたる部分なので、サビサビになってネジが回らなくなるトラブルが多い箇所です。
ヴィンテージサウンドとの相性は全く問題ありません。

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ネックプレートはフリーダムのブラスの3mmのプレートに交換してます。
これはものすごく鳴りが大きくなるアイテムです。
ブラスなので純正フェンダーっぽいカリンとした音ではないのですが、ゴーンとエッジがきつく無い音が爆音で鳴るようになる感じです。
はなから、ヴィンテージ系とは違う系統のストラトの音を求める場合にはかなりいいアイテムだと思います。

改造で鳴りばかり重視してますが、鳴りがいいギターというのは単純に手にフィードバックが大きくなるので、演奏しやすくなります。
鳴ればいいかというと、必ずしもそうとはいえないと思いますが、鳴らなすぎるギターはどこかに問題があって弦振動にストレスがかかり、ロスが発生してるともいえるので、そこはクリアにしてあげたほうが楽器本来の音を引き出せるのではないでしょうか。

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ストラトのピックアップは3シングルあるのですが、通常の5点レバーで出せる音はF M R F+M F+Rの5通りだと思います。
しかしF+Rの音はジャガーやテレキャスのミックスポジションのような位置で音を拾う組み合わせになり、F+M+Rの音も最もシャキシャキなハーフトーンで非常に使える音なので、所有するストラトにはすべてこのピックアップ配線ができるようにプッシュプルスイッチポットを搭載しています。
スイッチポットはセンタートーンに割り当て、センタートーンのノブをプルすると5点レバーがフロントとリアの位置のときにF+R、それ以外の位置にあるときにF+M+Rを出力するように配線しています。
この配線はエレクトリックギターメカニズムに出ているものを採用しています。
ギター改造マニアは必ず一冊持っておくべき本です。

その他コンデンサーもギターによってオレンジドロップとビタミンQを使い分けてます。
ストラトのトーンは全開でも少しグランドに高域が落ちるものなので、トーンを絞ったりしない人にも影響はあります。
特にちゃんとしたアンプでそれなりの音量で出すと、静電容量や耐圧が同じでもメーカーによって全然音が違います。

各年代でどのようにストラトのスペックが変遷しているのかは現在様々な書籍が出ていて、簡単に調べることができます。
オールドのレプリカギターをてにするときには参考にしてみるといいのではないでしょうか。

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