Webで公開しているものを含めて、Max for Live (M4L)のパッチを結構頻繁にアップデートしているのですが、複数マシンを使っていたりバージョン管理が複雑化しすぎて、過去の機能を復活できなかったり面倒な場面が出てきたので、gitを導入しました。
M4Lにかぎらず、DAWのプロジェクトファイルやMaxパッチ、フィナーレやシベリウスといった浄書ソフトの作曲データも同じファイルをどんどんバージョンアップしていくことや、分岐して別バージョンが作られることが考えられたりするのでその変更点を管理したりするためにも便利だと思います。
過去にどういう経路をたどって最終形態にたどり着いたのかということは普段なかなか意識的になれない部分ですが、批評家や音楽理論家からみたらこの部分にこそ思想や試行錯誤が詰まっていて、よりディープな部分の分析をする材料にもなるかもしれません。
もっとも、こういったメディアテクノロジーを駆使して芸術作品を理論的に分析できる人は日本にはほとんどいないのですが。
ーgitとはー(wikipediaより引用)
Git(ギット)は、プログラムのソースコードなどの変更履歴を記録・追跡するための分散型バージョン管理システムである。もとはLinuxカーネルのソースコード管理に用いるためにリーナス・トーバルズによって開発され、それ以降ほかの多くのプロジェクトで採用されている。Linuxカーネルのような巨大プロジェクトにも対応できるように、動作速度に重点が置かれている。現在のメンテナンスは濱野純 (Junio C Hamano) が担当している。
Gitでは、各ユーザのワーキングディレクトリに、全履歴を含んだリポジトリの完全な複製が作られる。そのため、ネットワークアクセスがなく中心リポジトリにアクセスできない環境でも、履歴の調査や変更の記録といったほとんどの作業を行うことができる。これが「分散型」と呼ばれる理由である。
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Gitのリポジトリは、リモートリポジトリとローカルリポジトリがあるのですが、Macのローカル環境での使い方をまとめると
まずSourceTreeというクライアントをインストールします。
Github for Macなどもあるので、好みでクライアントを選ぶといいと思います。
SourceTree
http://www.sourcetreeapp.com/
インストールが完了しアプリケーションを立ち上げるとFileメニューからNewを選ぶと上のようなBookmarksウィンドウが出てくると思います。
ここでディレクトリを設定します。
設定が終わるとブックマークにリポジトリが追加されます。
扱うファイルをリポジトリとして指定したディレクトリに置き、ブックマークウィンドウのリポジトリ名をダブルクリックすると上のような画面が出現します。
Files in the working treeというパネルに今置いたファイルが出現します。
今度はこれを右クリックし、Add to indexを選択します。
すると先程のファイルが上段のFiles staged in the indexというパネルの下に移動します。
次にこのファイルをコミットします。
コミットはリボジトリウィンドウのの左上にCommitボタンを押します。
するとコメントを書く欄が出現します。
ここにバージョンの情報や変更点などを記述しコミットします。
これでローカル上での管理は完成です。
左メニューのBRANCHESの中にmasterという項目があるのでそこをクリックすると、過去の履歴を見ることができます。
例えば、編集後にオリジナルのバージョンに戻したくなった場合、Originalをダブルクリックして出てくるウィンドウでOKを押せば良いだけです。
しかも、Max for Live(M4L)の場合、ableton liveのプログラムを動かしたままリアルタイムにこの変更が反映されます。
サーバーで共有しながら開発という場面で最も使われるのがgitだと思いますが、ネットワークを使わずにローカル環境だけで作業する場合も
いくつかのバージョンを音を出しながらとっかえひっかえして追い込みたいときにも便利だと思います。
こちらで公開しているMaxパッチ等もおいおいgithubに切り替えようと思います。
Source Treeでもgithubのアカウントを利用することができます。
http://akihikomatsumoto.com/download/
僕のgithubのアカウントはこちらになります。
バージョンアップを追いかけたい人や、開発に参加したい人はフォローをお願いします。
https://github.com/akihikomatsumoto