芸大先端つながりでもある大山エンリコイサムさん、東京大学の池上高志さん、南後由和さんらと作品を原宿のVacantで9月27日から一週間弱発表します。
僕はサウンドインスタレーションを担当していますが、とってつけたようなコラボレーションではなく有機的にパフォーマンスとサウンドインスタレーションが結びつくよう、随所にコンセプチュアルなメタファーを仕込んでいます。
ライブ・ドローイングの作品であるため、音も当然リアルタイム生成 / 処理システムです。
僕個人の作品は最近は自身のパフォーマンスとどんどん切り離されていて、システムにアルゴリズミックに生成させ、構築させ、作曲させ、演奏させるような音楽作品が多く、自作の電子音響作品においてパフォーマーとしての人間が不要なのではと考え始めている中での今回の作品なので、反対に自分とは異なる他者の介入によって変容するシステムを楽しんでいます。
それから、この作品では三菱エンジニアリングさんにスピーカーを、小野測器さんにコンタクトピックアップを機材協力いただいています。
これらがどのように作品の中で活躍したかも会期終了後紹介します。
http://movingcastle.jp/scratchingsoundwall/
スクラッチング・ザ・サウンドウォールーー足を踏み入れると、不意に「音の璧」が立ち現れる。都市のつぶやき、ざわめきを加工・圧縮し、超指向性音響システムによつて形づくられる「音の壁」。その聴覚的にのみ知覚される壁に、スクラッチが重ねられる。大山エンリコイサムのドローイングは、小さな紙を引っかくように、緻密に丹念にかきこまれる。削ったシャープペンシルの尖端が紙の上をすベる時にかろうじて発生する、ほんの僅かな摩擦音が「音の壁」ヘと上書きされ、そのリズムを変調させることになる。大山の近視眼的でのろのろした制作状態は自閉し、世界と干渉することを忘れたもぐらのように見えなくもない。
だが同時に、「音の壁」ヘと刻まれるそのスクラッチ音に耳を傾ける時、都市の視覚的なノイズであるグラフィティを思い起こしてしまう。グラフィティの語源は、イタリア語の「graffito(引っかき傷)」。もぐらの世界は「音の壁」を媒介として、都市ヘと一気に再-接続される。壁の読み替えと拡張。視覚から聴覚ヘの変換。即興性と偶発性。都市で感じ取られるさまざまなリズムとのセッション。予期せぬものとの出会い。その時間、 その場所で立ち現れては消えていく刹那。ストリートとホワイトキューブの二項対立を超えた、新たな都市的体験との遭遇がそこにある。
サウンド・インスタレーション:池上高志+松本昭彦+丸山典宏
ライブ・ドローイング:大山エンリコイサム
コンセプト・メイキング:南後由和
プロジェクト・ディレクター:岡瑞起
Sound Installation: Takashi IKEGAMI + Akihiko MATSUMOTO + Norihiro MARUYAMA
Live Drawing: Oyama Enrico Isamu Letter
Concept Making: Yoshikazu NANGO
Project Director: Mizuki OKA
2011年9月27日(火)ー10月1日(土) | VACANT [1F]
開場時間:13時~21時 | 27th September(Tue) – 1st October(Sat). 2011. Opening Hour: 13:00-21:00
VACANT
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前 3-20-13(東京メトロ明治神宮前駅・5番出口、JR山手線原宿駅・竹下口より徒歩5分)
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