Cycling’74のMax7がリリースされましたが、沢山新機能が追加されていてBEAPというのに注目しています。
BEAPはMax内部でCV/Gateを基準としたアナログのモジュラーシンセ機能をもたらすものです。
CV/Gate について(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/CV/Gate
最近はエフェクターやガジェット系の小型シンセ、MIDIコントローラーにもCV/Gateが搭載されるものが増えたので復権してきているのを感じます。
モジュラーシンセは持ってないこともあり、昨今盛り上がっているこの界隈の動きは全然知らなかったのですが、BEAPのプロジェクト自体は1年以上前から存在していて、githubでも公開されていてmax6でも動くようで、ようやく7から標準機能として取り入れられたようです。
https://github.com/stretta/BEAP
こういうモジュール同士を結線していく発想はMaxそのものなのですが、モジュール化されたものを接続して音を作っていくというスタイルは、作曲のロジックや音響をゼロからプログラミングをするMax/MSP文化には馴染みの無いものでしたが、やってみるとMaxプログラミングとは全然違う面白さがあって、むしろミュージシャンにはこちらのほうが難解なプログラミングで音楽を構築するよりも好まれそうですね。
感触としては自分で位置から音響合成の方法を考えて音を作るときには生み出せない音が生み出せる感じもあります。
道具が作風を引っ張るというのはピアノや楽器の発明同様、近代以降否めない流れなので、選択は重要ですね。
https://www.ableton.com/ja/blog/beap-powerful-modules-max-live/
当然、デジタルなのでグラニュラーなんかのモジュールもあって、古いアナログシンセの音響合成とは次元の違うことができます。
MSPのオーディオシグナルを使ってCV/Gateの表現をするせいか、微妙に揺らぎが発生してMIDIとは違うアナログっぽさも感じます。
デジタル以降のMIDI/CVコンバーターを通してしまうとアナログシンセなのに128段階の表現に近似値化されてしまうのですが、アナログのオーディオシグナルを使うことで出来ることは無段階になり、アナログモジュラーシンセのポテンシャルを引き出しやすいメリットはあると思います。
ちなみにBEAP関連のパッチは以下のディレクトリに標準インストールされています。これはgithubで公開されてるパッチ一式と同じですね。
/Applications/Max.app/Contents/Resources/C74/packages/Beap
これはBEAPのFMオシレーターのモジュールの中身ですが、
RMEのオーディオインターフェイスなんかではヘッドフォン用の7/8chがDCカップリングされたTRSアウトになっていてCV/Gateのアナログ信号を出力できるので、外部のハードウェアモジュラーシンセとも接続できます。
通常のオーディオインターフェイスのアウトはカップリングコンデンサという直流成分をカットするコンデンサが入っているので、CV出力には使えないので要注意です。
DCカップリングされたオーディオ出力ができるインターフェイスは以下からチェックできます。