西洋音楽を現代的にリメイクするプロジェクトquelltllの音楽制作ではソフトシンセだけでなく、エレキギターを多用しているのですが、マーシャルやフェンダー系の往年の王道ロックな音ではなく、ポストパンクやダブステップ以降の極太で荒々しい低音のマッシブ系の音色を多用しています。
alesisのbitrmanという90年代にDJ系の卓上エフェクターとしてリリースされたものをそういった音作りで活用してます。
当時流行していた、いわゆるグルーブ系電子楽器の流れを汲むデザインで、ギタリストが一番嫌いそうなテクノ系のチャラさが溢れてますが、音はビッグマフやDODのグランジ、ファズファクトリーを遥かに凌ぐ極悪系です。
いわゆるギター系のエフェクターよりもよっぽど尖った音が出ます。
bitrmanはそもそもアナログの歪みではないので、異様な高周波や倍音がギシギシ出ます。
アンプのドライブのように振幅をクリップさせるというより、FMのようなモジュレーションで歪みを発生させたり、原理が根本的に違うので出てくる音も全然違います。
bitrmanはデジタル系の飛び道具のマルチエフェクターのようなものなのですが、搭載されているエフェクトはコームフィルタ、ビットクラッシャー、デシメイター、フリクエンシーモジュレーター、リングモジュレーター、フリクエンシーシフターです。
リングモジュレーター以外はまったくもってギターには馴染みの無いエフェクターですが、プラグインではそれほどマニアックなものではないです。
そもそもギタリストの歪みの作り方として、デジタルを嫌う傾向があるのですが、bitrmanで作れる歪みは皆完全なデジタルノイズによる歪みです。
ギタリストの興味関心とは180度違っているので、誰も着目しないエフェクターでしょうが、そろそろ時代が追いついてきたというか、今の音楽にマッチするようになってきたのではないかと思います。
使い方としてはプリアンプの手前に置いてしまって、アンプのレンジで鳴らしたほうがプラグインとは違ったギター的な雰囲気が足されるのでおすすめです。
bitrmanの手前に歪みを置いたり、後に歪みを置いたり、それだけでも劇的に音が変わるのでいろいろ実験してみるといいと思います。
ノイズによる強烈な倍音が出るのでフィルターとの相性もいいです。
フィルターも、bitrmanの前に置くのか、後に置くのかで全然出てくる音が変わってきます。前段に置いた方がシンセっぽい、ギターではなかなか聴かないような音が出ます。
最近ではイケベ楽器が奇天烈エフェクターの特集をしていたり、今まで超マイナー扱いだったノイズ系エフェクターが一般的にも知られるようになってきていると思います。
http://www.ikebe-gakki.com/web-ikebe/as_strange-effectors/index.html
ここにもあるWMDのGeiger Counterなんかはウェブシェイピングに加えて、ビットクラッシャーなどが搭載されていて、デジタルでしか不可能なノイズをギターから発することが可能になっています。
でもこれよりもリングモジュレーターやFMなどのモジュレーション系の音まで網羅できるbitrmanのほうが音作りの幅が広いです。
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