ableton live9 suiteにはM4L (Max for Live)というプラグインを自作できる機能拡張が標準で搭載されているのですが、M4Lユーザーが使用できるディストーションをgumroadでリリースしました。
その名もGrunge Face。
M4L Grunge Face (.amxd file)
DODのGrungeなどがモチーフになっています。
音色としてはとにかくぐしゃっと潰れるディストーションで、抜けが悪い部分も模倣しています。
バックに埋もれてしまうような音ですが、悪目立ちさせずに、さりげなく汚したい音にかけるといいと思います。
原音と歪みのMIX度合いもコントロールできるので、ベースをうっすら歪ませて原音に混ぜて、音の輪郭を毛羽立たせるような使い方を僕はよくします。
汚い倍音を付加するイメージです。
最近はインダストリアルの再評価の流れもあるようですし、NIからもインダストリアル・サウンドとオーケストラのドラムが融合された破壊的音源、damageがリリースされるなど、工業音、アナログの歪みによる汚れた音色が一般にも広まってきているのではないでしょうか。
ちなみにdamageはKOMPLETE9からultimate版に標準搭載されています。
Grunge Faceもそういった汚し系のプラグインです。
ギターを腰のある艶やかなディストーションサウンドにしたいような人にはおすすめできません!
あくまで、音をサチュレートさせるというより、汚す感じなのでドラムやボーカル、その他ノイズ素材などを通すと面白いと思います。
ちなみに、こんな環境でプラグインを制作しています。
様々なアナログディストーションをデジタル解析して、リバースエンジニアリング的なアプローチからスタートして、オリジナルなところまでもっていきます。
かの有名なZ.VexのFuzz Factoryも元々はジミ・ヘンドリクスが使用していたことで有名なFuzz Faceを模倣しようとして、失敗した結果あの独創的なファズに仕上がったそうです。
作者は6百万ボルトのテスラコイルで高価な機器を大量に破壊したり。 http://www.prosoundcommunications.com/products/zvex/
ミスから生まれた新たな音といえば、グリッチなどもその類いだと思います。
音楽の世界では技術的制約や限界すら武器になりうる。