2013/01/29

デジタル時代のノイズ “グリッチ” M4L Digital Glitcher リリース

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M4L Digital Glitcher

ablton Max for Live(M4L)のオーディオプラグインをリリースしました。
その名もDigital Glitcherです。
M4L Digital Glitcher (.amxd file)

ゼロ年代はオウテカを筆頭にグリッチサウンドがとにかく流行しました。その流れは最近では音楽のサウンドメイキングにとどまらず、広告のヴィジュアルデザインにまで波及して、デジタル時代のノイズとして一般的な表現になりました。adobe関連でもちらほらグリッチの影響が見られるパッケージデザインがあります。思えば、このブログのデザインもグリッチ的ですね。

さて、アナログ時代のノイズサウンドの代表格といえば、レベルクリップによるディストーション。
波形の上下が切り取られ倍音が強調された音はロックの代名詞的なサウンドです。
これも元々望まれたノイズではなく、PAを通さずにギターの音を会場中に響き渡らせるだけの音量を稼ぐために真空管アンプが悲鳴をあげて歪んでしまったところが原点で、後にそれがかっこいいということになり、今やディストーションがかかっていないギターのほうがかっこ悪いくらいに感じてしまうから、音楽の世界での失敗は実に宝が眠っていると考えられるのではないでしょうか。

一方、グリッチとは回路やコードやデータ上の何らかのエラーによって発生する聴覚的、もしくは視覚的な崩れを意味します。
80年代生まれ世代にはファミコンをやっていて突然音がビーーーーっと鳴り続けたり、画面がギザギザに壊れたりといった現象は子供の頃の思い出に刻まれているかもしれませんが、意図的に創作に活用していた人は当時ほとんどいなかったと思います。

音楽の世界のグリッチだと、フェルトペンで盤面に落書きをし、エラー音を誘発していたOvalのCDスキップが有名でしょうか。
こういったデジタル領域のエラーで発生する音を強制的に作り出してしまおうというのがこのDigital Glitcherの機能です。

こちらのデモムービーではドラムのトラックにDigital Glitcherをかけて、フレーズをリアルタイムにグリッチしてます。
このような音は打ち込みや手作業の切り貼りでやるのは非常に骨の折れる作業です。
グリッチの音色を多用するアーティストの多くはMax/MSPを使ってプログラムで音をリアルタイム処理しています。
abletonはmax for liveというMax/MSPをLive内部で利用できる拡張パックを販売しているので、グリッチ好きなかたはぜひ導入をおすすめします。

https://www.ableton.com/ja/live/max-for-live/

グリッチ感を出すコツは、できるだけ信号の下流にプラグインを置くことだと思います。
コンプよりも手前に置いてしまうときれいに音がまとまってしまって、過激なエラー感が出ません。場合によってはマスタートラックの一番最後に挿すのもいいかもしれません。

その他のM4Lプラグインは以下のサイトにまとめてあります。
デモムービーなどをご覧になればどのような音が作れるかイメージできると思います。
http://akihikomatsumoto.com/download/




■松本昭彦のサイドプロジェクトquelltllの2ndアルバム「dying dots」発売中 018

Djent以降のメタリックなギターサウンドがグライムやジューク等のベースミュージックと絡み合うダークでインダストリアルな2ndアルバム「dying dots」8/15 AppleAmazonOTOTOY等の主要配信サイトでリリース

https://itunes.apple.com/jp/album/dying-dots/id1027043101?

■quelltllのBLACK PEAKSシリーズ

音楽を小さな断片に解体し、アルゴリズミックにマッシュアップするBLACK PEAKSシリーズ。bandcampで発売中。http://quelltll.bandcamp.com

松本昭彦

松本昭彦プロフィール

東京都出身音楽家・インタラクティブプログラマー。東京芸術大学大学院修了。 高岡明、ジョナサン・リー、キャシー・コックスに師事し、現代音楽の作曲や音楽理論、電子音楽の技法を学んだ。2012年に東京芸術大学大学院にて修士(芸術)を取得後、東京大学工学部知の構造化センター研究員を経てアーティスト・プログラマーとして広告の音楽や美術展示、雑誌の執筆から、大学や放送局、自動車メーカー等の研究機関のためのプログラムを開発を行っている。

現象に内在するモデルやシステムに着目し、アルゴリズムを駆使して作品をメタデザインし、音や光、映像などのメディアを横断しながら生成的にリアライズしていく制作アプローチが特徴である。

近年では東京モーターショーのイベント音楽や日本科学未来館の展示音楽等の作曲を手がけており、Max/MSPプログラマーとしては渋谷慶一郎、evala、池上高志、大友良英、飴屋法水、藤本隆行、やくしまるえつこ、坂本龍一+高谷史郎らの作品制作に携わる。


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楽曲、プログラム制作のご依頼はakihiko.japan[at]gmail.comまで

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