デジタル時代のノイズ “グリッチ” M4L Digital Glitcher リリース


M4L Digital Glitcher

ablton Max for Live(M4L)のオーディオプラグインをリリースしました。
その名もDigital Glitcherです。
M4L Digital Glitcher (.amxd file)

ゼロ年代はオウテカを筆頭にグリッチサウンドがとにかく流行しました。その流れは最近では音楽のサウンドメイキングにとどまらず、広告のヴィジュアルデザインにまで波及して、デジタル時代のノイズとして一般的な表現になりました。adobe関連でもちらほらグリッチの影響が見られるパッケージデザインがあります。思えば、このブログのデザインもグリッチ的ですね。

さて、アナログ時代のノイズサウンドの代表格といえば、レベルクリップによるディストーション。
波形の上下が切り取られ倍音が強調された音はロックの代名詞的なサウンドです。
これも元々望まれたノイズではなく、PAを通さずにギターの音を会場中に響き渡らせるだけの音量を稼ぐために真空管アンプが悲鳴をあげて歪んでしまったところが原点で、後にそれがかっこいいということになり、今やディストーションがかかっていないギターのほうがかっこ悪いくらいに感じてしまうから、音楽の世界での失敗は実に宝が眠っていると考えられるのではないでしょうか。

一方、グリッチとは回路やコードやデータ上の何らかのエラーによって発生する聴覚的、もしくは視覚的な崩れを意味します。
80年代生まれ世代にはファミコンをやっていて突然音がビーーーーっと鳴り続けたり、画面がギザギザに壊れたりといった現象は子供の頃の思い出に刻まれているかもしれませんが、意図的に創作に活用していた人は当時ほとんどいなかったと思います。

音楽の世界のグリッチだと、フェルトペンで盤面に落書きをし、エラー音を誘発していたOvalのCDスキップが有名でしょうか。
こういったデジタル領域のエラーで発生する音を強制的に作り出してしまおうというのがこのDigital Glitcherの機能です。

こちらのデモムービーではドラムのトラックにDigital Glitcherをかけて、フレーズをリアルタイムにグリッチしてます。
このような音は打ち込みや手作業の切り貼りでやるのは非常に骨の折れる作業です。
グリッチの音色を多用するアーティストの多くはMax/MSPを使ってプログラムで音をリアルタイム処理しています。
abletonはmax for liveというMax/MSPをLive内部で利用できる拡張パックを販売しているので、グリッチ好きなかたはぜひ導入をおすすめします。

https://www.ableton.com/ja/live/max-for-live/

グリッチ感を出すコツは、できるだけ信号の下流にプラグインを置くことだと思います。
コンプよりも手前に置いてしまうときれいに音がまとまってしまって、過激なエラー感が出ません。場合によってはマスタートラックの一番最後に挿すのもいいかもしれません。

その他のM4Lプラグインは以下のサイトにまとめてあります。
デモムービーなどをご覧になればどのような音が作れるかイメージできると思います。
http://akihikomatsumoto.com/download/