フェンダー大名鑑 1946-1970 写真でたどるヴィンテージ・ギターとアート・ワーク (P-Vine Books)
究極のフェンダーの歴史書とも言える「フェンダー大名鑑 1946-1970」が発売されています。
洋書では既に「Fender The Golden Age 1946-1970」として発売されて反響を呼んでいましたが、めでたく翻訳されています。
日本語版は本自体のサイズが少し小さいです。なので、写真を大きく眺めたい人には洋書のほうがいいと思います。
今なら円高なので、日本のアマゾンでも2000円くらいで購入可能です。
この本の資料的価値は非常に高くおすすめです。
エレキギター以前の初期のフェンダーのラップスティールやメイプル指板のジャズマスター、リアピックアップがスラントされたジャガー、ピックガードとヘッドが現在のテレキャスターと違う形状の白いエスクァイアのプロトタイプ、ジミヘンに献上するつもりでお蔵入りになったオールローズのストラト、日陰の存在であったスターキャスターなどレアな写真も満載の300ページ弱です。
バディー・ホリー、ビーチボーイズ、デル・シャノン、ボブ・ディラン、ジミ・ヘンドリクスなどフェンダーゆかりのアーティストの写真とエピソードも見応えがあります。
過去のフェンダー社の広告や販促グッズの数々など見たことがないものが多く、デザイナーが見ても面白いと思います。特に広告のデザインは昔から素晴らしいです。
写真だけでも十分に価値のあるものですが、ギターや設計技術的な文章も資料的価値の高いものです。
過去にここまでフェンダーに突っ込んだ書籍は世界中探してもありませんでした。
全フェンダーファンのマストアイテムとなるでしょう。
ところで、僕が最近メインで使ってるストラトは70年代後半のものでこの本の考察からは外れてます。笑
僕のストラトの時代を最後に、フェンダーは迷走してます。
ぎりぎり70年代後半のストラトのトーンはセーフだと思っています。
理由は、重量感のあるホワイトアッシュボディーによるワイドレンジでロングサスティーンな点が60年代のアルダーで中域に音が集まったストラトと決定的に違い、フラットポールピースで歪まないピックアップが後のニューウェーブの引き締まったクリーンサウンドの土台となっている点です。
この音は他のどの年代のストラトでも出せない音なのです。
フェンダー大名鑑 1946-1970 写真でたどるヴィンテージ・ギターとアート・ワーク (P-Vine Books) マーティン・ケリー テリー・フォスター ポール・ケリー スペースシャワーネットワーク 2012-02-17 |