RMEのオーディオインターフェイスは既に10年前から音楽家の間に広く使われている究極のインターフェイスです。
僕が学生の頃から今も、ロックから電子音楽、ピアニストまでジャンルを問わず音楽家におすすめのオーディオインターフェイスを聞くとRMEがいいと言う人がほとんどです。
無響室や、スタジオのレコーディングエンジニア、ミュージシャンなどここ数年で関わった音関係のプロジェクトではほとんどRMEがインターフェイスに使われていました。(余談ですが、DAWに関してはNuendo率高いです)
Protoolsがオーディオインターフェイスの縛りを解放してからはProtoolsをRMEで使う人も多くなっています。
実際、RMEはドライバーの改善ペースや安定性、Macとの相性が他社と比較して大幅に信頼できます。
音楽スタジオならまだしも、インスタレーションなどの展示やライブ、公演での機材トラブルは禁物なのでドライバーの安定性は音質以上に重要な要素です。音質は問題無くてもドライバーが認識しなかったりすることがある機材は大事な場面で使うことは難しいです。
昨今のPCオーディオブームではRMEの製品も注目を浴びており、むしろ音楽関係者よりもオーディオマニアのほうが買っているのではないかという勢いがあります。
かつては限られたレコーディング系雑誌にしか登場しなかったRME製品は今では普通にオーディオ雑誌にも登場しています。裾野が広がるということはメーカーも潤いますし、製品が洗練されると思うので大賛成です。
オーディオマニアからのフィードバックとしてはACアダプターの改造や交換などがあります。
FireFace UCの電源
http://asoyaji.blogspot.jp/2010/11/fireface-uc.html
RME FireFace 400 の電源向上
http://namepatch.blogspot.jp/2009/07/rme-fireface-400.html
サウンドとビジュアルのグレードアップツールメガネ型電源ケーブル
NEO 『d+Power Cable C7』
http://www.oyaide.com/catalog/products/p-4728.html
ちなみに、オーディオ系の人たちからはUSBオーディオインターフェイスはUSB DACと呼ばれます。
DACとはDigital to Analog Converterのことであり、コンピュータ上のデジタルデータをアナログである音声信号に変換する機械を意味します。
DACはPCオーディオでは音質を司る最も重要な部分の一つです。こういった上流の機器の性能が悪ければ、下流のケーブルやスピーカーにいくらこだわってもどうにも音を作れないことになります。
マスタリングスタジオ等では数百万するDACを使う例も珍しくありません。
主な機能
- 独自開発のUSBコアによる、ハイパフォーマンス、安定した動作
- 高品位AD/DAコンバーター:全入出力24ビット/192kHz
- ハイエンド・クオリティーのデジタルコントロール・マイクプリアンプ x2
- ラインおよび、楽器用バランス・ユニバーサル入力 x2
- Enhanced Mixed Mode:アナログ、ADAT、SPDIF入出力の同時使用可能
- すべての設定がリアルタイム変更可能
- ADATオプティカル(S/MUX)経由で4チャンネル 24bit/96kHz録音・再生
- インテリジェントなマスター/スレーブクロック自動切換え
- Bitclock PLLによりADAT動作の可変速度時(バリ・ピッチ)においてもトラブルフリー
- SteadyClock技術による高度なジッター抑制
- ロータリーエンコーダーおよびフロントパネルディスプレイによるシンプルなスタンドアローンオペレーション
- DDSテクノロジー:サンプルレートを自由に設定
- ハードウェア内で計算される54のピーク/RMSメーター
- 遅れの無いサブミックスと完全なASIO ダイレクトモニタリング
- TotalMix:42bit内部処理648チャンネルミキサー
- サンプル単位での正確な配列を保ち、チャンネル間のスワッピングを防止するSyncAlign
- 入力信号の同期状態を監視し、結果を表示するSyncCheck
- ハードウェアベースでデジタル信号を測定するソフトウェア「Digicheck」
入出力
- アナログ・ライン入力(1/4″TRS)x 6系統 (アナログ・ライン x4系統、ライン/楽器 x2系統)
- マイク/ライン入力(XLR、1/4″ TRS兼用) x 2系統
- アナログ・ライン出力 x 8系統(バランス x 6系統、 アンバランス x 2系統)
- ADAT入出力 x1系統 (もしくはSPDIFオプティカル)
- SPDIFコアキシャル入出力 x 1系統(AES/EBU対応)
- 16 チャンネルの高速MIDI入出力 x 2系統
- ワードクロック入出力 x1 系統
- USB 2.0端子 x 1系統
- 42bit精度でDSP処理される内部ミキサー
- 外部ミキサー、ケーブル接続なしで、入力/再生全チャンネルをゼロレイテンシーミキシング
- ディレイなしのサブミックス作成(ヘッドフォンミックス):最大9系統の完全独立ステレオサブミックスが可能。
- ルーティング設定のコピー&ペースト、フェーダーのグルーピング機能、マトリックスウィンドウ
- 無制限の入出力ルーティング(自由な活用とパッチベイ機能) :計648通り
- ゼロCPUロード
- マトリックスウィンドウでのワンクリック・ルーティング
- MIDIコントローラーからのコントロール(スタンドアローンでも対応):Mackie Controlプロトコル
RME Fireface UCのメーカーサイトの解説
http://www.synthax.jp/fireface-uc.html
Fireface UCはWindowsとMac OSにそれぞれ最適化されたUSB 2.0のハイスピードバスを搭載します。独自の伝送技術によってマルチチャンネルでも超低レイテンシーを実現しており、USBはFirewire製品に劣るといった従来のオーディオインターフェイスのイメージを払拭しています。ファームウェアがwinとmacで個別に用意されており、起動時に選択する仕組みになっています。
最小レイテンシーはWindowsは48サ ンプル、Mac OS Xにおいては14サンプルまで抑える事が可能です。
デジタルクロックのゆらぎであるジッターの抑制機能やデジタルオーディオ解析機能を搭載し、最高192kHzのサンプルレートに対応しているので、ハイレゾリューション音源の制作、再生にも全く問題ありません。
チップにも汎用のものは用いずに、メーカーが開発したFirefaceに特化しています。
そこまでこだわったからこその音質や安定性です。
その他のメーカーのインターフェイスではUSB接続やカスケードの安定性などで随分苦労したので、すべてのプロジェクトがRMEならいいのになあなどと思いますが、そこは予算の優先順位もありなかなか実現が難しいところ。
少なくとも個人レベルでは絶対おさえておきたいインターフェイスです。
入出力も豊富でこれが一台あればだいたい困ることはありません。入力はファンタムパワー付きが2系統、インストレベルの入力が2つフロントにありリアはライン入力が4つあります。ハーフラックのコンパクト仕様ながらアナログだけで8chの同時入力が可能です。
RMEのオーディオ入力は東大の先端研究所の無響室でも導入されてましたし、測定レベルで使える精度をもっています。
出力もアナログが6chとヘッドフォン出力が7,8chに割り当てられています。
Firefaceのヘッドフォン出力はかなりレベルを稼ぐことができますし、SONYのCD900STなどを接続すれば相当硬質な音を聞くことができます。観賞用の音作りとはおそらく真逆にある方向ですが、この角が立った音はPCオーディオファンにも好まれるケースが最近はあるそうです。
このヘッドフォン出力はルーティングを調整することで、どのオーディオ出力を流すのか調整したり、1から6ch同様にモノラルで独立した出力をさせることも可能です。MIDIに関しては外付けのコードを経由してin outが2ペア用意されています。最近はMIDIコントローラーもUSB接続でMIDIケーブルを使うことが少なくなってきましたが、例えばアコースティックフィールド社のXSPATなどはMIDI信号を受けて音像を操作するため、MIDI出力が必要になります。
僕も使っているRMEのFireface UCはUSBオーディオインターフェイス、DACの中では最も好きな音です。
いわゆる、固いモニターのような音で、変に色付けはありません。
Firefaceはtotal mixという付属のミキサーソフトによってルーティングが自由に変更できます。
内部ミキサーで歪まないように監視しながら、複数立ち上げたソフトの出力を混ぜたり、センドリターンの回線を作ったり、パラで出したり自由度はかなり高いです。
マルチチャンネルで音を制作したり、5.1chサラウンドで音楽や映画を鑑賞することも簡単です。Firefaceは3台まで同時使用できるので、チャンネル数もかなり稼ぐことができます。
地味に良く使用する機能としては付属ソフトDigicheckのRMSメーターがあります。ピークメーターはどのDAWにもついていると思いますが、マスタリングやMA等で音圧の目安をつけるためにはRMSメーターは欠かせません。
最近は放送業界でラウドネス基準が運用されRMSとは違った新しいアルゴリズムのメーターが必要になるのですが、VUメーターで慣れ親しんだ音楽業界ではまだまだRMSメーターの重要性は変わらないと思います。
RMEのFirefaceは導入してからもう数年経ちますが、故障やトラブルもほとんど無く録音に再生に文句無しのサウンドなので、USBやFirewireといった規格の寿命が来ないかぎり永遠に使える機材だと思うので、迷う部分はFirewireにするのかUSBにするのか、もしくはハイブリッドであるUCXにするのかなど接続方式くらいなのではないでしょうか。
値段は少々しますが、安物を買ってもいつか買い替えることを考えると、最初からきちんとした質の製品で音をモニタリングしたほうが音の理解も深まりますし近道になるのではないでしょうか。
コンピュータを使って音楽をやるなら最終的にマストなアイテムです。
技術仕様の抜粋
アナログ
- 解像度 AD:24 bit
- S/N比(SNR):110 dB RMS unweighted、113 dBA
- 周波数特性@ 44.1 kHz、-0.1 dB:5 Hz – 20.6 kHz
- 周波数特性@ 96 kHz、-0.5 dB:5 Hz – 45.3 kHz
- 周波数特性@ 192 kHz、-1 dB:5 Hz – 90 kHz
- THD: < -100 dB、< 0.001 %
- THD+N: < -98 dB、< 0.0012 %
- チャンネルセパレーション: > 110 dB
- 最大入力レベル: +19 dBu
- 入力:6.3 mm TRSジャック、バランス
- 入力インピーダンス: 10 kΩ
- 入力レベル切り替え: Lo Gain、+4 dBu、-10 dBV
- 入力レベル(0dBFS)@ Lo Gain:+19 dBu
- 入力レベル(0dBFS)@ +4 dBu:+13 dBu
- 入力レベル(0dBFS)@ -10 dBV:+2 dBV
ライン入力 3〜4、フロント
- 下記を除き上記ADと同一:
- S/N比(SNR):105 dB RMS unweighted、109 dBA
- Gainノブ範囲(ロータリーエンコーダー経由):0 dB 〜 +18 dB
- 最大入力レベル、Gain 0 dB: +19 dBu
- 最大入力レベル、Gain 18 dB、楽器: -16 dBu
- CLIP LED:-2 dBFS
- SIG LED:-65 dBFS
マイクロフォン 1〜2、フロント
- 下記を除きADライン入力5~8と同一:
- 入力:Neutrik XLR/TRSコンボジャック、電子バランス
- 入力インピーダンス:XLR 2 kΩ、TRS 8 kΩ バランス
- ロー・ロールオフ -0.5 dB:18 Hz、-1 dB:12 Hz
- Gainノブ範囲:0 dB、+10 dB ~ +65 dB
- 最大入力レベル、XLR、Gain 0 dB: +10 dBu
- 最大入力レベル、XLR、Gain 65 dB: -55 dBu
- 最大入力レベル、TRS、Gain +0 dB: +21 dBu
- 最大入力レベル、TRS、Gain +65 dB: -44 dBu
- CLIP LED:-2 dBFS
- SIG LED:-65 dBFS
DA、ライン出力 1〜6、リア
- 解像度:24bit
- ダイナミックレンジ:110 dB、113 dBA @ 44.1 kHz (unmuted)
- 周波数特性: @ 44.1 kHz、-0.1 dB:1 Hz 〜 20.4 kHz
- 周波数特性: @ 96 kHz、-0.5 dB:1 Hz 〜 44.8 kHz
- 周波数特性: @ 192 kHz、-1 dB:1 Hz 〜 80 kHz
- THD: -100 dB、< 0.001 %
- THD+N: -96 dB、< 0.0015 %
- チャンネルセパレーション: > 110 dB
- 最大出力レベル: +19 dBu
- 出力: 6.3mm TRSジャック、サーボバランス
- 出力インピーダンス:75Ω
- 出力レベル切り替え:Hi Gain、+4dBu、-10dBV
- 出力レベル(0dBFS)@Hi Gain:+19dBu
- 出力レベル(0dBFS)@+4dBu:+13dBu
- 出力レベル(0dBFS)@-10dBV:+2dBV
DA – フォン、7/8、フロント
- 下記を除き上記ADと同一:
- 出力:6.3mm TRSジャック、アンバランス(ステレオ)
- 出力インピーダンス:30Ω
MIDI
- 2 x MIDI入出力:4 x 5ピンDINジャック、ブレイクアウトケーブル経由
- グランド・フリー、非カップリング・トランス
- 高速転送:ジッターとレスポンスタイム1ms以下
- 独立した128バイトFIFO入出力
デジタル
- クロック:内部(インターナル)、ADAT In、SPDIF In、Word Clock In
- 低ジッター設計:<1ns(全入力、PLLモードにて)
- 内部クロック:800psジッター、ランダムスペクトラム拡散
- 外部クロックのジッター抑制:約30dB(2.4kHz)
- AD/DAコンバート時のクロックジッター:ほぼゼロ
- 100ns 以上のジッターでもPLL によりドロップアウトゼロを保証
- Bitclock PLLによりADATの可変速度動作(バリ・ピッチ)においてもトラブルフリー
- サンプリング周波数: 28 kHz 〜 200 kHz
デジタル入力
Word Clock
- BNC端子(10 kΩ)
- 75Ωターミネーション用スイッチ
- ダブル/クワッドスピード自動検知、シングルスピードへ自動変換
- SteadyClockによる低ジッター同期を保証、バリスピード時を含む
- ネットワークのDCオフセットの影響を排除
- Signal Adaptation Circuit:自動信号センタリングとヒステリシスによる信号の再生成
- 過剰電圧保護
- レベル範囲:1.0Vpp ~ 5.6Vpp
- 同期帯域:27kHz ~ 200kHz
- 入力信号同期時のジッター:< 1ns
- ジッター抑制:> 30 dB(2.4kHz)
ADATオプティカル
- 1 x TOSLINK
- 標準:8チャンネル(24bit/48 kHzまで)
- Double Speed (S/MUX):4チャンネル 24 bit 96 kHz
- Quad Speed (S/MUX4):2チャンネル 24 bit 192 kHz
- Bitclock PLLにより、バリ・ピッチにおいても完全な同期
- 同期帯域:31.5 kHz ~ 50 kHz
- 入力信号同期時のジッター:< 1 ns
- ジッター抑制:> 30 dB (2.4 kHz)
AES/EBU – SPDIF
- 1 x RCA、1 x オプティカル、IEC 60958に準
- 高感度入力(< 0.3 Vpp)
- コンシューマーとプロフェッショナルフォーマット、コピー保護は無視
- 同期帯域: 27 kHz ~ 200 kHz
- 入力信号同期時のジッター: < 1 ns
- ジッター抑制: > 30 dB (2.4 kHz)
デジタル出力
ワードクロック
- BNC端子
- 最大出力電圧: 5 Vpp
- 出力電圧@75Ωターミネーション:4.0 Vpp
- 出力インピーダンス:10Ω
- 周波数レンジ: 27kHz ~ 200kHz
ADAT
- TOSLINK×1系統
- 標準:8チャンネル(24bit/48 kHzまで)
- Double Speed (S/MUX):4チャンネル 24 bit 96 kHz
- Quad Speed (S/MUX4):2チャンネル 24 bit 192 kHz
AES/EBU – SPDIF
- 1 x RCA、1 x オプティカル、IEC 60958に準拠
- 出力レベル:プロフェッショナル2.0 Vpp、コンシューマー0.8 Vpp
- プロフェッショナルフォーマット:AES3-1992 Amendment 4に準拠
- コンシューマーフォーマット(SPDIF):IEC 60958に準拠
- シングルワイヤーモード、サンプリングレート28 kHz~200 kHz
一般
- 電源:外部電源アダプタ
- 平均消費電力: 13 ワット
- 12ボルト動作電圧での電流:910 mA (11ワット)
- 寸法(ラック耳含)(WxHxD):265 x 44 x 165 mm (10.5” x 1.73” x 6.5”)
- 寸法(ラック耳無)(WxHxD):218 x 44 x 155 mm (17.2” x 1.73” x 6.1”)
- 重量: 1.5 kg ( 3.3 lbs)
- 動作温度:摂氏 +5°〜 +50°
- 相対湿度:< 75%、結露なきこと
- 付属電源アダプタ:内部スイッチPSU、100 – 240 V AC、2 A、24 ワット
- RoHS指令 対応済
- ISO 9001認証
- CE認定
- FCC認定
RME FIREFACE UCX + Remote Control
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