学生時代にグレゴリオ聖歌についてネウマ譜を読み、分析し実際に歌う授業がありました。
歌の先生だったので、理論や歴史的な背景よりも歌唱のほうに重点が置かれていましたがこの授業がなければネウマ譜を読譜できるようにはならなかったでしょう。
実際、和声学や対位法の学習にも大いに役立ちますし、西洋音楽的な旋律の根幹にあるものがグレゴリオ聖歌です。多くの音楽作品の定旋律に使用されたり引用されたりしています。
マルコフチェイン(マルコフ連鎖)によってグレゴリオ聖歌の音楽理論を分析し、アルゴリズム化してmax/msp上にグレゴリオ聖歌の自動作曲機実装したパッチもあるので、そのうちこちら
のページで解説を交えて公開します。
ちなみに、こんなサイトもあるのでグレゴリオ聖歌を本格的に学びたい人は除いてみるとよいでしょう。
http://interletras.com/canticum/Eng/index1_Eng.html
歴史、記譜、リズム、メロディーなど一通り学べます。
結局数学を使って分析してわかったことは、対位法のテキストの初期段階で学ぶ旋律を作るためのルールと酷似したデータが得られるということです。
音楽理論とは過去の音楽作品の特徴を定量化してまとめたようなものなので当然と言えば当然なのですが再確認。
真に音楽的な結果を生み出すようなアルゴリズミックコンポジションとは、過去何百年という歴史の中突然変異と淘汰を繰り返し完成されてきたような一つの音楽様式を、たった一人で短時間でプログラミングしなければならないので、それ相応の知識量と効率、音楽の骨組みを見抜くセンスが必要と感じます。
熟練してくると作曲のための規則、規則のための規則など階層的に音楽を見ることができるようになります。まさにアルゴリズミックコンポジションとはメタ音楽の一つですね。