フルアコのピックアップをフロントだけアルニコIIIに変更しました。アルニコIIIとはアルミ、ニッケル、コバルトの混合物からなるマグネットのことで、ギターのピックアップではI~Vがよく使用されます。
音の特徴としてはガッツがあり張りのあるのがアルニコVで最もマイルドで繊細なものがアルニコIIだと思われます。ギターにとってピックアップは弦振動を電気振動に変換する重要な装置で、人間で言うと歌うときの口の形くらい大切な箇所です。
アルニコIIIは50年代中期までのギブソンで使われていたマグネットであり、ヴィンテージのギブソンに搭載されているピックアップはだいたいアルニコIIIです。
今回変更した理由は、ギブソンでデフォルトで搭載されているピックアップ(アルニコV)の音質がワイルドすぎて、繊細な高音を拾ってくれなかったからです。悪く言うと、1弦や2弦のニュアンスがきっちり演奏した通りにアンプから出力してくれなかったんです。(かなり細かいレベルのこだわりで、ギブソンが粗悪品というわけではありません。)
ジャズをやるならそれでもいいのかもしれませんが、自分は現代音楽に使うためにこのギターを購入したため、表現の幅を広げるために高音の鈴のような鳴りを広い、ピッキングのニュアンスをより伝えやすいものを探した結果、GRINNING DOG工房
のA3というモデルにたどり着きました。アルニコIIIをうたってるピックアップは非常に少ないんですが、ここは職人さんが手作りで作ってらっしゃいます。位相の問題など素早く相談に乗っていただき、商品からアフターサービスまで非常にすばらしい出来だと思います。今後リアもここのA5に変更するかもしれません。GRINNING DOG工房
さんありがとう。
交換した結果、フロントピックアップの音が生まれ変わりました。低音の無駄にブーミーだった感じがなくなり、5,6弦の粘り強さと枯れた雰囲気がでるようになりました。フロントでこういう音も作れるんだと発見すらしました。
トーンを絞ればオーソドックスなジャズのような味わいのある音色、トーン全開では意図した鈴鳴りを出せるようになりました。ますますこのギターに愛着がわきました。