2012年8/26にサントリーホールで行われる「サントリー芸術財団 サマーフェスティバル 2012
<MUSIC TODAY 21>」に出演します。
ケージのミュージサーカスのパフォーマーとしてなのですが、これがとても難しい仕事で、芥川作曲賞の候補曲のうち3曲を本番でリアルタイムに録音し、演奏終了2分後にはリミックスして演奏開始するというもの。
それも、ノイズとか音響系の現代曲風ではなくベタなダンスチューンというオファーなので、即興だけでは成立しなそうです。
おそらく僕の制作キャリアの中で最も難易度が高くて、本番の集中力も要するものです。
リミックスとはいえ、2mixしかもらえないのと、編集時間も数分しかないのでプログラムを書いたり、バックグラウンドの素材を制作したりなど、可能な限りの準備をしています。
リミックスというのは作曲ではないので、間違っても芥川作曲賞候補曲をサンプリングして自分の作曲として完結させてはならないのです。
あくまで、原曲があってのリミックス。
でもマルチチャンネルではなく、2mixの素材のリミックスというと、モノミックスしか残されてないのでは?などと、リミックスについて深く考える良い機会になってます。
また、サンプリングできる尺も10秒以内という制限があるのですが、ここで疑問に思ったことがあります。
時間領域ではなく、周波数領域でスペクトル解析をしてある時刻のスペクトルをサイン波でリシンセするような場合、フレーズをカットして貼付けるサンプリングという概念とは全く違うデーターの利用法になります。
この場合、サンプリングと言っていいのか、また、一瞬の時刻の点を量的な秒という概念に置き換えることができるのか。
これは、写真の一瞬と映像のストリームの違いのような感じでしょうか。
同じ立場から解釈するのは難しいです。
面白いテーマが見つかった気がします。
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ジョン・ケージ:ミュージサーカス
今年、生誕100年・没後20年を迎えるアメリカの前衛芸術家ジョン・ケージ。彼の芸術活動の中で象徴的・社会的な意味を持つ<ミュージサーカス>は、ミュージックとサーカスから作ったケージの造語で、単独または同時に行われる独立した演奏・上演からなるマルチメディア・パフォーマンスです。
千 宗屋氏(武者小路千家15代若宗匠)、白石美雪氏、岡部真一郎氏の監修による今回のテーマは「即今」。
会場内を移動しながら、ケージのアート作品展示や、易卦によって個別に決められた時間にスタートする、まさに今ここでしか得られない音楽演奏、様々なパフォーマンスを体験いただきます。(入場無料)