IRCAMのフォーラムソフトウェアであるAudiosculptは音響分析、編集の優れたソフトです。
本日デモンストレーションしているのは、クリッピングフィルターというフィルターで、スペクトルの時間的推移に対して描いた図形をフィルターとして機能させるものです。
20世紀前半までの多くの音楽作品は加算的に音を積み重ねていき、巨大な構造を作り上げていましたが、この作曲法は反対に減算的に、巨大なブロックから必要な要素を削り出して音楽を構成する減算的な作曲法と言えます。この手のアプローチで音楽に挑んだ作曲家としては、日本の湯浅譲二があげられます。
全ての音楽的要素を内包した素材としてホワイトノイズを用意し、必要な要素を削り出していく作曲法です。
このムービーで選び出した波形はホワイトノイズではありません。どのようなオーディオファイルでもこのような処理が行えるのがAudiosculptの特徴です。
これは電子音楽の作曲にしか通用しないものではなく、OpenmusicにSDIFを読み込ませ、器楽曲として仕上げることも可能です。