https://www.ipmu.jp/ja/2018102627-OpenHouse2018
10/26, 27の二日間東京大学柏の葉キャンパスIPMUにてインスタレーションの展示を行います。
この作品はいわゆるサイエンスアートと呼ばれるもので、自由に創作しているわけではなく科学の研究の成果を芸術という形で具現化しているものです。
Kavli IPMU の研究者にご提供いただいた、宇宙のはじまりから宇宙年齢約138億年の現在までをシミュレーションで実現した宇宙の揺らぎのデータを元にサウンドインスタレーションを構成しています。
簡単に説明すると宇宙の進化を音の変化として鑑賞できるように作品化しているものです。
宇宙に音は無いと思うので正解があるものではないというところはサイエンスとは違うアートの想像力が試される部分です。
この種の作品はほんとうに難易度が高いのです。
仕上がりを良くするために恣意的な数値の選択をすることができない場面が多々あるためです。
それをやっていくとサイエンスとしての価値などゼロに等しくなってしまうため、好き勝手やっているのと変わらなくなってしまうのです。
かといってデータはそのままでは作品には程遠いもので
データという要素と芸術という結果を繋げる道筋を作っていくのが芸術家の仕事という感じです。
もしもお越しの方、ご連絡ください!僕もなるべく来客時に時間を合わせているようにしたいですが、いかんせんここに丸二日間立ってるもの不自然でして。作品はアコースティックフィールドさんのご協力の上8.1chの立体音響にて三次元的な音響のインスタレーションになってます。
もうどんな感じに仕上がるのか今週あたりまで全く想像すらつかなかったです。それくらい大真面目にサイエンスの成果を音に変換して作品化するということをやっていて、そこにアーティストの恣意的な情報というのは極限までいれないようにしてやっているので、むずかしいむずかしい。
シンセサイザーもサウンドファイルすらも使ってません。
ただひたすら科学者から頂いたデータを使って音に変換するだけ。
でもそれを免罪符に作品として音としてつまらないなんてことになってしまうならアーティストが関わる意味は皆無になってしまうので、全力で作品の音がサイエンス上の理屈やコンセプト抜きに聴いてもきっちり面白くなるよう工夫してます。
ありがちなサイエンスからコンセプトだけ借用して実情は好き勝手やるみたいなやり方は今回とってません。本当に研究データのみを使って音響合成からフィルタリングからあらゆる音のパラメータをマッピングしています。音楽でいうと編曲に近いのかも。それも音楽外のものから音楽への編曲。
同日27日にAppleやSpotifyでリリースされる僕のトランスクリプションシリーズの新作「Preludes for Piano Transcription」にも通じる頭の使い方が実はあったのかもしれません。作風としては別人が作ってるくらい180度全く違う音ですが。
でもこういうの何回かやってるんですが慣れてきてもいて、音にできないようなデータから強引に作品を形作るみたいなのもなんども修羅場をくぐってきたおかげであんまり不安もなく。今度逆に一般的なシンセシスや楽器を使って音楽をつくることがどれだけ簡単なのか拍子抜けしてしまうほどの感覚にもなります。
当日は久保さん、浪川くんにも手伝ってもらい、バイオリン工房の伊藤さんにもお手伝いにきてもらうという豪華布陣。RESONANCEやっててよかったなとも思う瞬間。
2日間ですのでお越しいただく方は事前にご連絡いただければ僕が直接対応することも可能ですのでよろしくお願いいたします。
日時:両日 10:00-16:30
場所:セミナーB前の廊下奥
データ提供協力:西道 啓博 Kavli IPMU 特任助教, 松村 知岳 Kavli IPMU 特任准教授
アシスタントプログラマー:浪川洪作
技術協力:株式会社アコースティックフィールド
〒277-8583 千葉県柏市柏の葉5-1-5
シャトルバス
http://www.k.u-tokyo.ac.jp/gsfs/shuttle-bus/2017shuttlebus_j.pdf