DSDレコーダー KORG MR-2


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2011年の沖縄でのサウンドプロジェクトで使用するためにKORGのMR-2を導入したのですが、様々な録音実験を通じて発見したことがいくつかあります。
自分が気付いた点をまとめてみました。

KorgサイトよりMR-2の仕様
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レコーダー部 トラック数 2トラック、同時再生2トラック/同時録音2トラック
録音フォーマット 圧縮オーディオ・フォーマット MP2形式(拡張子.mp2)48kHz@128、192、256、320kbps、
MP3形式(拡張子.mp3)44.1kHz@128、192、256、320kbps
PCMオーディオ・フォーマット WAV形式(拡張子.wav)、BWF準拠 44.1kHz@16/24bit、48kHz@16/24bit、88.2kHz@24bit、96kHz@24bit、176.4kHz@24bit、192kHz@24bit
1bitオーディオ・フォーマット 2.8MHz@1bit、DSDIFF形式(拡張子.dff )、DSF(拡張子.dsf)、WSD(拡張子.wsd)
録音時間 6時間@44.1kHz/16bit(メモリー・カード、4GB時)、最長連続録音6時間
プロジェクト数 日付フォルダごとに最大400まで認識
マーク・ポイント 100ポイント/1プロジェクト *マーク名無し
USB機能 コンピュータにUSB2.0で接続、FAT32リムーバブルディスクとして使用可
ソング編集 リネーム、デリート、プロテクト
チューナー 12平均律、クロマチック・チューナー
測定範囲 27.5Hz~1,318.5Hz(A0~E6)
キャリブレーション A=435~445Hz
カード 使用可能カード 512MB~32GBのSDカードおよびSDHCカード(SDHCカード、クラス4以上推奨)
一般 ディスプレイ 128×128ドット、バックライト付きLCD
電源 単3形電池2本(ニッケル水素充電池またはアルカリ乾電池)、USBバスパワー
消費電力 1.5W
外形寸法 60(W) x 133(D) x 28(H)mm (突起物含む)
質量 135g(メモリー・カード、電池含まず)
主要規格 周波数特性 20Hz~20kHz ±1.5dB(MP2/MP3)、10Hz~20kHz ±1.5dB @Fs44.1kHz/48kHz、10Hz~40kHz ±1.5dB@Fs88.2kHz/96kHz/176.4kHz/192kHz、10Hz~100kHz (1bit)
S/N 90dB(標準) @IHF-A
THD+N 0.018%(標準) 20Hz~20kHz
A/D変換 2.8224MHz(1bit)、24bit(PCM)
D/A変換 2.8224MHz(1bit)、24bit(PCM)
外部マイク端子 コネクター 3.5mmステレオ・ミニ・フォーン・ジャック(プラグイン・パワー切替可)
入力インピーダンス 10kΩ
規定/最大レベル -39dBV/-27dBV
LINE IN端子 コネクター 3.5mmステレオ・ミニ・フォーン・ジャック
入力インピーダンス 75kΩ
規定/最大レベル LINE -10dBV/+2dBV
ヘッドフォン端子 コネクター 3.5mmステレオ・ミニ・フォーン・ジャック
最大レベル 20mW+20mW @16Ω
USB コネクター ミニBタイプ
フォーマット USB2.0準拠、USBマスストレージクラス
対応OS Windows2000以降、Mac OS X 10.4以降
付属品 SDカード(試供品)、USBケーブル、動作確認用単3形アルカリ乾電池 x 2、インストールCD(オーディオ・ファイル変換アプリケーション“AudioGate”)

http://www.korg.co.jp/Product/DRS/MR-2/index.html

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☆DSDはやはり音が良い

音が良いという表現は主観的ですが、DSDに言えるのは波形の記録解像度の高さです。
ターゲットのビット数、サンプルレートの.wavフォーマットで録音するのと、DSDで録音しておいて付属のAudioGateというソフトで後からターゲットのビット数、サンプルレートにコンバートしたものを比較すると、後者のほうが音の解像度が高くなるように感じます。
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これはなぜなのかよくわからないのですが、DSDからコンバートしたほうが波形が複雑なアタックの音など取りこぼし無く記録できるのでしょうか。
1ビットながら、サンプリング周波数は2.8224MHzもあります。
メガヘルツです!一秒間に2822.4回もデータを取りにいくということは相当細かい時間的な変化も取りこぼさないということです。

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紙をぐしゃぐしゃにする音などアタッキーなサウンドを録音して比較すると顕著です。
このあたりは時間的なスペクトル変化に弱いスペアナなどでは測ることができないのですが、耳で聞くとハイの潰れ具合が確実に違います。
PCMのほうが歪んで聴こえるほど。

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付属のAudio Gateを使ってサウンドをコンバートするのですが、そこでファイルフォーマットを選べます。
wavだと32bit 192KHzなんかも選べるので、DSDの元データには相当高い解像度が詰まっています。
16Bitだと低い音量での解像度の損失が大きいので、小さい音量で録音した音を持ち上げると音の汚さが目立つのですが、DSDで録音してAudio Gateでゲインを持ち上げると音が汚くなりません。
小さい音で録音してしまったから、素材が使い物にならないというケースは少なくなるので、どうしてもレベルが低くなりがちなフィールドレコーディングにもおすすめです。

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☆連続録音は6時間まで

.wavファイルの場合4GBを越えるサイズのファイルが作れないという制限がありますが、KORG MR-2は本体側の制限として連続6時間を越える録音は不可能です。
ぶっ続けでレコーダーを回したい場合は要注意です。

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☆プラグインパワーのマイクに対応

プラグインパワーが使えるため、ガンマイクやバイノーラルマイクなどファンタム電源を必要とするコンデンサーマイクもステレオミニ一本で接続することが可能です。
プラグインパワーはオフにもできるため、SM57等のダイナミックマイクもXLRからミニピンに変換するコードさえあれば接続できます。
XLRの入力端子はMR-2にはありませんが、2chであればステレオミニ入力でも困ることは少ないのではないでしょうか。

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以上があまりレビューなどでは語られていない使用感をまとめましたが、dsdは一度手にすると二度と離れられない感じがあります。PCMで録音することにネガティブな印象を感じてしまうほどです。
まさに高解像度という言葉で表現できるような録音が可能になります。

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これは最終的にスーパーオーディオCDを作るというレガシーな用途に限らず、wavやaiffにダウンコンバートする場合でもdsdで録音することをおすすめします。
ソフトシンセの録音なんかはあまり違いが出ないかもしれませんが、生楽器やフィールドレコーディングなどの複雑な波形変化を伴う音響にはかなり有効です。
人工的な音は波形がシンプルで、自然界の有機的な音は波形が複雑なケースが多いと思います。

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DSDはデジタルカメラで言うRAWに少し似た感触です。Audio Gateを使って様々なレートのファイルフォーマットに現像をする感覚です。

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–DSDとは from wikipedia

ダイレクトストリームデジタル (Direct Stream Digital) は、スーパーオーディオCDがアナログ音声をデジタル信号化する際の方式。オーディオの世界においてはCD-DAに用いられるリニアPCM方式に代わる新技術であるが、原理自体は新しいものではなく、古くからあるパルス変調の一つであるPDM方式(パルス密度変調方式)にキャッチーな名前を付けただけである。

概要

ソニーとフィリップスにより命名された。原理についてはΔΣ変調を参照されたい。

オーディオ用途で主に用いられるサンプリング周波数はCD-DAの規格である44.1kHzの64倍=2.8224MHz。他のデジタルフォーマット48kHzなどとも周波数比が単純な整数比となるので、変換を行っても大きな破綻が無く相性が良いとされる。

「1bitオーディオ」の別名でDATに替わる高音質ポータブルオーディオとして期待されている。KORGのレコーダーMR-1000とMR-2000Sは、2.8224MHzの他に5.6448MHzというさらに倍のサンプリング周波数で録音が可能である。このフォーマットはDSD128(CDフォーマットの128倍という意味)と呼ばれる事もある。

特徴

100kHzまでカバーする周波数帯域(ただしフラットではなく上限に向かって下降する特性)と低ノイズ、瞬発力の速さ、そして音の情報量が多いにも関わらず周波数帯域が近い192kHzサンプリングと比較した場合データが軽く済むという特長があり、アナログ→ダイレクトストリームデジタル変換の LSIのコストが低く消費電力も抑えられるので、スーパーオーディオCDや録音だけでなくデジタルパワーアンプにも使われている。

短所としてはまず「高周波数になるほど量子化ノイズが増える」というものがある。これはサンプリング周波数が非常に高いので、人間が聴取可能な周波数帯域では殆ど問題は生じない。また変換誤差や高調波ひずみが発生し易いという点は回路設計の大きな課題となっている。

1bit・ΔΣ変調の原理からミキシングはおろかイコライジングさえ出来ないので、PyramixやSonomaなどのマルチトラックダイレクトストリームデジタル録音システムを用いながらミキシング/イコライジングなどのプロセスはアナログ機器に頼るか、DSD-Wide、Digital eXtreme Definition(DXD)などのマルチビット信号にデジタル変換して行われている。

DSDの記録方式

記録方式には以下の方法が存在している。DSD規格では以下のいずれかの方法が用いられている。そのため、スーパーオーディオCDのソフトによっては、録音・記録方法が異なっている。

DSDレコーディング
オリジナルレコーディングからすべてDSD方式で録音されているマスターを使用。 DSD方式で音楽情報を余すことなく録音することで、 DSDの持つ高いサウンドクオリティをスーパーオーディオCDで再現することが可能。
DSDミキシング
アナログあるいはデジタルのマルチチャンネル・レコーダーから直接DSDにミックスダウンされたマスターを使用する方式。スーパーオーディオCD では、ミキシングによって増大するダイナミックレンジやリミッタ処理によって発生する高調波などもそのまま収録することが可能となった。
DSDマスタリング
アナログあるいはデジタルのオリジナルマスターから、直接DSD方式でマスタリングしたマスターを使用。例えばハイビット・ハイサンプリングのマスターのサウンドもクオリティを損なわずにスーパーオーディオCDに収録可能。

DSDディスク

後述のDSFファイルをDVD±R、DVD±RWに記録するためのフォーマット。「Sound Reality」搭載のVAIO、およびKORGのPC用アプリケーションソフト「AudioGate」で作成することができる。

スーパーオーディオCDとは完全に別物であるため、通常のスーパーオーディオCDプレーヤーで再生することはできないが、SCD-XA5400ES、SCD-XE800など一部のスーパーオーディオCDプレーヤー、およびプレイステーション3(スーパーオーディオCD再生非対応モデルを含む)は再生に対応している。尚、VAIOで作成したDSDディスクには、PCMへの変換出力のDirectShowプラグインが書き込まれているので、「Sound Reality」搭載のVAIO以外のPCでも再生できる。

ファイルフォーマット

DSDには様々なファイルフォーマットが存在している。いずれにおいても互換性はない。

DSDIFF(Direct Stream Digital Interchange File Format)
主に業務用に用いられており、DSDファイルフォーマットの中で最も使われている。PyramixやSonomaなどの業務用機器に対応製品が多い。民生用では、KORGのPC用アプリケーションソフト「AudioGate」か同社のMRシリーズ、TASCAMのレコーダーなどで再生できる。
DSF(DSD Stream File)
ソニーが2005年秋モデルのVAIO向けに開発したファイルフォーマット。どちらかというと、民生用途向けの仕様といえる。VAIOに付属しているソフトウェア「DSD Direct」を用いることによりWAVから変換でき、DSDディスク作成に用いられる。再生には「Sound Reality」搭載のVAIO、あるいはKORGのPC用アプリケーションソフト「AudioGate」か同社のMRシリーズで再生可能。
WSD(Wideband Single-bit Data)
「1ビットオーディオコンソーシアム」が策定したファイル・フォーマット。チャンネル数やサンプリング周波数に制限がなく、あらゆる形式のデータに対応できることを特長としている。仕様が公開されているのも特徴である。KORGのPC用アプリケーションソフト「AudioGate」か同社のMRシリーズで再生可能。

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