東日本大震災以降様々なアーティストが様々な活動を開始し、世界はそれまでとは一変してしまいましたが
僕がアーティストとしてできることは、淡々と作品を作ることです。
ボランティア活動をするといっても、普通の人以上に何か貢献できるような身体的能力も無く
ただできることと言えばアート作品をきちんと作り、お客さんを動員し、お金という形で被災地に貢献することです。
自分の力を最大限に活用した復興支援はこれしかありません。
さて、本題ですが、池上高志さんらとサウンドパフォーマンス作品を制作しています。7.1chの立体音響を秋葉原の3331で実現するために様々な試行錯誤を重ねています。
制作はいつものとおり、Max/MSPとSPATを利用しているのですが、先の新津保さんの展示から続く作品になります。
東大チームと協力して結構テクニカルなことをやっているので、アート好きなかただけでなく、先端技術に興味があるかたもおっ!と思う内容になっていると思います。
パフォーマーはカジュアルな音楽理論書として絶大な影響力をほこる「憂鬱と官能を教えた学校」を菊地成孔さんと共著されたことでも有名な大谷能生さんです。
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Date 2011. 5/14,15
14:00 – 15:30
18:30 – 20:00
60-90min 3 stages
各回定員60名
Space 3331 Arts Chiyoda / 1F メインギャラリー
Ticket 2,000yen
(50%が東日本大震災の義捐金として寄付されます。)
出演:大谷能生、河村美雪
Sound Swarm Direction:池上高志
Programming:大海悠太、松本昭彦、丸山典宏
音響:半澤公一 (innovation)
制作:渡辺タケシ(ふつうの人新聞)
協力:大海研究室(東京工芸大学)、ペンと点(東京造形大学)、FOSTEX COMPANY
主催:池上研究室(東京大学)/ CS-Lab(東京造形大学)
Sound Swarm / Performance
たくさんのサウンドファイルが、まるで生き物のように、自律的に相互作用しながら群れを作り、仮想空間を動き回る。そんなシステム、Sound Swarmにはある種の意識が芽生える。この作品はSound Swarmの意識を構築し、その意識と遊ぼうとするものだ。
リアルタイムに録音されたサウンドが次々と群れに参入し、分裂し進化する。古いサウンドファイルは古い記憶であり、新しいサウンドファイルは新しい記憶である。古い記憶が新しい記憶と交わって変容してゆく。したがって群れは様々な時の記憶の集合体であり、それはどこか遠い場所の、誰かの記憶や風景でもある。
パフォーマンスプロジェクトには、観客が自分でシステムの中を歩き回るのとは違う Sound Swarmの経験のされ方に誘う力がある。
Sound Swarmの作る群れに、パフォーマーが過去の問いに答える声、新たに紡がれる音楽、身体のしぐさによって参入していくことで、Sound Swarm とセッションする。それは、記憶が記憶を呼び起こし、自らの身体運動によって記憶を変遷させていくダイナミックな構造だ。やがて、そこにあった記憶の集団は変化し、なにかパフォーマーそれ自身の形を帯びてくるだろう。こうして、パフォーマンスは音とドキュメンタリー文学の二つの顔を持った「現実と架空がつかず離れずする意識の世界」の渦中へ観客が分けいっていく手伝いをする。そのとき、いまここにいる観客自身も入り込んだ、けれど、私と離れても生き延び続けていく記憶が生まれている。
畢竟、私たちの意識とは、世界を眺める記憶の束である。私たちはその空間に佇んでむことで、イマココにしか生まれない誰かの意識にアクセスできるはずである。
東日本大震災復興支援「Arts Action 3331」参加企画
東日本大震災支援「Arts Action 3331」に賛同し、本企画の収益の50パーセントを義捐金として寄付します。寄付する先は、活動の趣旨に賛同できる復興支援NPO団体などを現在選定中です。
憂鬱と官能を教えた学校 菊地 成孔 大谷 能生 河出書房新社 2004-09-11 |