SONY DPS M7(α7 Carl Zeiss Sonnar T* 90mm F2.8)
SONY のラック式エフェクターDPS-M7という機材はレコーディングスタジオで今でも現役で使われるモジュレーション系のアルゴリズムをまとめたエフェクターです。
SONY DPS M7(α7 Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8)
Bzの松本孝弘、LUNA SEAのINORAN、BUCK-TICKの今井寿らギタリストのライブ機材としても90年代に一世を風靡したものです。思えばこの時代はレコーディングスタジオをそのまま持ち歩くようなバブルギタリストが多く、冷蔵庫3台ぶんくらいのエフェクトラックは珍しいものではありませんでした。
デモ映像ではDPS M7の全プリセットを試奏してます。
コーラス系だけでも5種類のアルゴリズムがあり、かなり充実してます。
細かな違いですが、こだわる人には嬉しいです。
SONY DPS M7(α7 Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8)
2000年あたりから、徐々にコンパクトペダルタイプが復活してきて現在の主流になってますが、90年代はラックのマルチエフェクターの本の一部の機能をコンパクトのように単一で使い、それらを複数組み合せてマルチマルチのような音作りをしてました。
SONY DPS M7(NEX-5N Canon 35mm F1.8 Lマウント)
今ではTC-ElectoronicもEventideもコンパクトサイズでハイクオリティーなエフェクターを出しているので、もはや大型のラックは歴史の遺物ですね。
しかし、これでしか出ない音というのは存在するもので、SONYのM7もいつかどこかがモデリング、復刻するかと思っていましたが、全くその気配はないため自分で作りました。
SONY DPS M7(α7 Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8)
M7のADコンバーターは18ビットステレオ、DAコンバーターはクロックが49.152MHzのアドバンスドパルス方式。現代のデジタル音響機材のスペックには見劣りするかもしれませんが、それでも80~90年代のSONYらしいクリアでハイファイな音という印象。
SONY DPS M7(α7 Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8)
入出力はXLRのバランスと標準ジャックの2系統ありそれぞれステレオ2chで使用できます。
またMIDI IN OUT THRU の3つの端子があるため、フットコントローラーから集中制御することができます。
SONY DPS M7(NEX-5N Carl Zeiss Sonnar T* 90mmF2.8)
モジュレーションのアルゴリズム
1. ステレオコーラス
2. デカコーラス
3. マルチコーラス
4. バンドコーラス
5. ステレオピッチシフター
6. バンドピッチシフター
7. ピッチシフトモジュレーション
8. リバースシフト
9. ステレオアンサンブル
10. マルチフェイザー
11. ステレオフランジャー
12. マルチフランジャー
13. モジュレーションディレイ
14. スパイラルモジュレーション
15. ステレオパンナー
16. ハースパンナー
17. ドップラー
18. ビブラート+トレモロ
19. リングモジュレーター
20. ロータリースピーカー
SONY DPS M7(NEX-5N Canon 35mm F1.8 Lマウント)
とにかくコーラス効果一つとっても6種類くらいの音色の選択肢があります。
今回ableton live でMax/MSPによる音響処理機能拡張ができるMax for Live (M4L)を使ってアルゴリズム2番のデカコーラスをモデル化してみました。
SONY DPS M7(α7 Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8)
アルゴリズム2 – デカコーラス
CH1 / CH2の各チャンネルに5ユニットのコーラスブロックを搭載したコーラスプログラムです。ステレオ入力時にはステレオ5相コーラスとして、またモノラル入力時には10相コーラスとして多彩な音作りが可能です。
このモノラル入力時の10相コーラスは圧巻です。ディレイともコーラスとも区別出来ない空間的な広がりや残響感が生じます。5相のステレオにしてしまうと重厚感が半減してしまうため、M4Lのパッチではステレオで10相のコーラスがかかるようにしています。
以下のサイトからフリーでダウンロード可能なので、M4Lユーザーは試してみてください。
ダウンロード
http://akihikomatsumoto.com/download/
SONY DPS M7(α7 Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8)
このM4Lという制限もPluggoのディスコン以降の悲しい妥協です。
内部はMax/MSPによるプログラムなのですがPluggoはLogicでもCubaseでもProtoolsでも使えたので、僕が開発したマニアックなプラグインを愛用してるって話は方々からいただいていたのですが、abletonとなると使える人がかなり限られてしまいますよね。
Sony Chronicle 2010
ソニー・マガジンズ 2010-03-10 |