ここ10年くらいでしょうか。エリクサーというメーカーがコーテッド弦を発売して以来ある程度この手の弦がギタリストに受け入れられ、様々なメーカーから類似品が発売されるようになっています。
コーテッド弦というのは、ギターの弦に対してポリマー等でコーティングすることにより演奏時に指からはがれおちる古い角質や脂、汗などの汚れを弦に付着させないようにするものです。汚れは弦の振動を鈍らせたり腐食を早めたりして音質を劣化させます。
このコーティング技術によって、普通の弦より3~5倍も長く続きます。
特にアコースティックギターに張る人が多く、父親もマーティンのD28に貼っていて、いつまでも音が新品の弦のままなので不気味だと言ってました。
しかし、新品の弦のようなきらびやかな響きを持続させたい人にはおすすめですが
世の中には古い弦の響きが好きな人もいるのです。
僕も古い弦信者の1人です。
古い弦の良さは、余分な倍音が抑えられて、タッチの強弱によって音の明るさをコントロールしやすくなる点です。
新品の弦だとピアニッシモでもかなり明るい高音が出てしまうので、演奏による音色の変化をつけにくいのです。新品の弦はコンプ感もあり、弱いタッチで弾いてもそれなりに音量が出てしまいます。古い弦は本当に死んだ音も出せるので、メリハリがつけられます。
それと、新品の弦は高音が出るのではなく、巻き弦なんかはフレットと尖ったワウンド部分が摩擦して金属ノイズが発生したり、ピックとの摩擦のノイズが大きかったり、弦本来の響きというより表面的なノイズによって高音が出ているように感じるのではないかと推測しています。
その点、古い弦は弦の素材そのものの音を右手で引き出すような弾き方になるので扱いやすいです。
そもそもオーケストラの弦楽器などはギターのように頻繁に弦を交換したりしませんし、それなりに期間を経過させて落ち着いた音色の弦が好まれたりします。
しかし、古い弦は古い弦、オクターブチューニングが合わなくなったり、サスティンが短くなったり弱点もあります。何より、錆びるとやすりのようになってしまい、フレットが痛みます。
さて、話は脱線しましたがghsの弦を76年のフェンダーのストラトに貼ってみました。
円高のせいか、800円台で今楽器屋に並んでます。エリクサーは今でも1200円くらいするのでお得だと思います。
ghsの袋をあけると一本づつ紙にパッケージングされ弦の番号が書いてあります。
この紙パックまでポリマーでコーティングされていたら取り出せない!?と妄想しましたが、普通に入ってました。
見た目ではコーティングされている様子は全くわかりませんが、手触りは明らかに違います。
なんというか、手にくっつくようなべたつきのようなものがあります。
特にプレーン弦は何かが付着したような感触は否めません。
交換後、2時間くらい弾き込むまではテンションが安定しません。
最初ゆるゆるで、一般的にテンションがきつめといわれているコーテッド弦とは違ったイメージで、09-46のゲージではストラトには1-3弦が緩すぎるかと思いましたが、しばらく弾いているうちにダダリオと同じくらいのテンションにおちつきました。
音色は数日しか弾いていないので真価はわかりませんが、コーティングされていることもあり、鳴りは悪いです。思いっきりピッキングしても大してボディーもネックも振動してくれません。
このあたりは使い古したダダリオのほうが鳴ります。
この弦を張り替えるまで3年以上同じ弦を張りっぱなしでしたが、その弦よりも鳴りが悪いです。
古い弦は特に鳴りには影響を与えないのかもしれません。
これからしばらくghsを様子見して、また結果を報告することにします。
そうそう、弦というのは毎日弾いていれば、触れる部分はそうそう錆びてきたりしません。
ナットからペグの間のような触らない部分に腐食は見られますが、指板上の弦は錆びて変色したりもしません。
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