Ableton M4Lプラグイン、自分が使っていくうちにだんだん古臭く感じてきた部分を使い易いようにいろいろ整備しました。
思えばMaxより長くAbleton Liveを愛用していて、Abletonだけで即興的に自在に思うような電子音響作り出せるのではと思って大学生のときに導入して、やっぱり全然やりたいことはできないとMaxに踏み込んだのですが、最近のAbletonはMaxforLiveで普通のDAWじゃできないようなことができて、今学生でこの環境があったらMaxとかに進まなかったかもしれないです。
それくらい今のAbletonでかなりのことができます。
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ベースとキック専用シンセサイザー
ベースとキックの専用シンセサイザーであるKick/BassはウェブフォルダーやFM、フィードバック、ビットクラッシャーを搭載した高性能キックシンセサイザーで、波形もモーフィングでサイン波から三角波、矩形波、ノコギリ波を連続可変で変形できます。豪快なベースミュージックからテクノまで低音域での音作りでの自由度が高いシンセサイザーです。
SONY DPS M7 MCHをシミュレーションしたマルチコーラス
スタジオ用のラックエフェクターとして一斉を風靡したソニーのDPS M7のMCHのアルゴリズムをシミュレーションした深いコーラスです。多重に複雑に折り重なったコーラスサウンドが音に艶と厚みを与えます。
波形モーフィング、クロスフェードもできるLFOが二機搭載!ユーロラック対応も
2機のLFOはWAVEダイアルを使ってモーフィングして1パラメータで様々な波形を生み出すことができ、それぞれをBPMに同期させたテンポを選んだ上でクロスフェードもできるのでかなり複雑かつビートと一体化したモジュレーションをかけることができます。
LFDUO自体が音を発するプラグインではありませんが、ターゲットとしてVSTやAbleton内部の様々なパラメータの制御が可能です。
さらにCVアウトモードを搭載しており、オーディオインターフェイスからオーディオ信号としてCVを出すことによりモジュラーシンセもLFDUOからBPMに同期した上での制御が可能になります。
Expert Sleepers ES-3などを使うとADAT出力から8本のアナログオーディオ出力を取り出せるのでこのプラグインの真価を発揮できるでしょう。
VSTからAbletonミキサーまでパラメーターシーケンサー
ミキサーやプラグイン等の各種パラメータにマッピングしてループシーケンスでコントロールが可能になるプラグインです。
CVアウトモードがありExpert Sleepers ES-3, ES-8などを用いることでオーディオトラックからCV信号を発生させることができるためAbleton上でグラフィカルに描いたシーケンスを用いて外部のモジュラーシンセを制御したりすることができます。
SerumやMassiveのようなモダンなソフトシンセにあるようなリズミカルにフィルターシーケンスを刻むようなことをモジュラーシンセ上でDAWのBPMに合わせつつできます。
ノイズしか出ない「Logistic Star」
https://gum.co/JCEjyQ
https://noizevil.stores.jp/items/59c1b618aa753a0d70001b4f
デモ映像を見ての通り、ノイズノイズノイズ。
MIDIノートナンバーを超越した楽譜には記せないような音が出ます。
ノートナンバーによって音色は変わりますが、フィルターが開いたり閉じたりするような単純な一方向的な音色変化ではありません。
ピッチが低いほど音程感を感じる音が出やすいですがヴェロシティーとの兼ね合いでも大きく音色は変わります。
じわじわきてる新ジャンルWAVEの専用シンセサイザー
UKでじわじわきてるベースミュージックWAVEで使われているような音色の専用シンセサイザーをリリースしました。
強烈なグライドとディチューンがポイントです。
もちろんそれだけにとどまらない音色の幅を持っているのがWAVYの特徴です。
上昇と加工でグライドタイムを変えることができるシンセは滅多にないのではないかと思います。しかしながらこのうねりが重要なポイント。
Trapなんかにも使えるのかもしれません。
オシレーターはモーフィングで基本波形を連続可変できるので搭載波形が何種類といった概念はありません。
モノフォニックですがユニゾンオシレーターが強烈に重なってます。
クラスターでディチューン具合をコントロールします。
フィルターは2機搭載されてますが、一つはエンヴェロープジェネレーターで制御できるバイクアッドフィルターでローパス、バンドパス、シェルビング、ハイパスなど様々な特性に変更可能です。
もう一つのフィルターはMoogのラダーフィルターを踏襲した極太の-24dbローパスフィルターです。
ユークリッドシーケンサー
Ableton上でユークリッドシーケンサーを実現するプラグインEuclidean SEQ。
分割数とヒット数を設定してあとはローテーションも左右にできます。拍節に縛られたAbleton Live内部でPolymeterを実現するプラグインとも言えると思います。
ベースとリードで異なるシーケンスを走らせて、ドラムはかっちり4/4でというのも独特のISOリズム感なんかが出ます。
Swarmatronを彷彿させるクラスターシンセ
トレントレズナー、アッティカスロス両氏によるソーシャルネットワークのサウンドトラックでも有名なSwarmatron系のクラスターシンセ、「Swarma」for Ableton Live(.amxd)がリリース!
こういう音符で表記できないようなクラスターサウンドはMIDIをベースとするソフトシンセではまず出てこなかったりします。MIDI入力は受け付けません!
X-Yパッドで演奏する方式です!
Swarmaは音色というより音響を作るものなので。
チップチューン専用ポリフォニックシンセ
チップチューンと呼ばれるファミコンやゲームボーイのような初期のローファイゲームサウンドを使ってテクノ系の音楽を作るのが2000年あたりからひそかなブームを呼んでいますが
Chip Tunesはそんなローファイデジタルサウンド専用のシンセです。
SAW TRI SQR NOISEの4つのオシレーターですがポリフォニック対応しています。
今だったらチップチューンサウンドはグライムやヒップホップの中でも活路があるのではないかと思います。
アルペジエイターであってアルペジエイターでないようなヘンテコなモジュレーターがポイントです。
このプラグインは何か特定のゲーム機の音を忠実に再現とかではないのでDAW上のハイレゾ環境だったりすると上も下もけっこう出ます。意外と音が太い。
エンヴェロープ付きスライサー
Gate Slicerはオーディオをスライスするものですがエンヴェロープがありグルーブ感まで操作可能です。トレモロのようなかかりかたからキレのいいスタッカート、サイドチェインゲートのような緩やかな立ち上がりかたなどオーディオトラックの表情を変えることができ音量しか制御してない単純な処理のわりに原曲のノリをこれでもかというくらいにリメイクできます。
AbletonのBPMにシンクして動作します。
Z-Plane Filterの現代版XY-Plane Filter
Z-Planeフィルターというのは古くはE-muのシンセサイザーなんかに搭載されていた特殊なフィルターですが、今回のリリースはその流れを組みAbleton用にアップデートしたものです。
使い方は簡単で、メニューからフィルタープリセットを選び、XYパッドを操作することでぐにゃぐにゃフィルターが変化します。
LPFやHPFのように単純に開閉するわけではなく、フェイザーやフランジャーや人の声のようなフィルターもかけられたりします。
CV/GATE出力機能がついたAbletonパラメーター制御のエンヴェロープジェネレター
Ableton上のパンニングやエフェクトセンド、標準搭載のAbletonプラグイン、それからVSTプラグインのパラメーター出力から外部MIDI機器の制御まで様々な機器にアサインして連携をとれるユーティリティープラグインです。
CVアウト機能が付いているのでオーディオトラックに挿して、出力先をモジュラーシンセ制御用端子に設定すれば電圧制御でユーロラックもAbletonのBPMにシンクしたテンポ感でコントロールできます。
エンヴェロープはADSRのような一般的なものではなくブレイクポイントを結んでフリーハンドでグラフを書けます。
ブレイクポイントの削除はシフト+クリックです。
ラインのカーブを変更するには線上でオプション+上下にドラッグです。
リズムにもメロディーにも使える可聴域を超える特殊なモジュレーションFreq Modulator
可聴域を超える速度で変調を加えるモジュレーターで、FMのような過激な倍音を加えることができますが、BPMシンクでその変調の具合をリズミカルにコントロール可能なため単に音色を変化させるだけでなくビートに特殊な刻み方を施して新たなリズムパターンやグルーブを生み出すことも可能です。
デモ映像でその片鱗が見えると思います。
FeedbackとDepth、Freqの組み合わせで音色を作りますがモジュレーションの波形も10種類選ぶことができ、単なる正弦波の変調とは違った音作りが可能です。
旧バージョンから3.2アップデートにアップデートし、波形の頭がAbletonの再生ボタンを押したタイミングでリセットされるように改善されています。
Sync時はノートに対してマルチプライヤーが使えるようになり、例えば8分音符3つ分の周期でモジュレーションをかけるなどBPMに関係した複雑なリズムで変調することが可能になりました。
ディレイタイムを変更してもピッチが変わらない夢のディレイ VDB Delay 2.0
これはディレイタイムを変更してもピッチが可変しないというもの。
従来のコーラスやフランジャーはこのピッチのよれを利用してディチューン効果に近いハーモニーを生み出していましたが
このVDBディレイではピッチが変わらないためモジュレートさせると従来のディレイとは全く違う使い方ができます。
バウンシングボール的なディレイタイムがどんどん縮小していくものもできますし
グリッチのようなデジタルノイズも出せます。
ディレイタイムがどんどん変わる不思議なランダムディレイ効果も作れたり、アイデア次第で多彩な音が作れます。
ディレイ音を逆再生するリバースディレイ M4L Reverse Delay!
FX100%で使うことでリアルタイムリバースサウンドが得られて、音声などにかけても効果的です。メディアアートに近いテクニカルな舞台作品などで作者も多用していたりするものです。
最大ディレイタイムは12秒。
Abletonとテンポシンクしたタイム設定が行えるためドラムループなどにかけても不思議なグルーブが生まれたりします。特に4拍子系のループに3連符のタイミングでリバースディレイをかけてもジュークフットワーク以降の今風のリズムを構築できると思います。
原音と足すのも完全ウェットで使うのもありです。
2.0になり更にクリックノイズを抑えるアルゴリズムに変更しました。
古い1.0もアルゴリズムが全く違うため、ディスコンにせずに残してます。
お好みで使い分けてもいいでしょう。
リアルタイムオーディオグリッチ系エフェクト
ablton Max for Live(M4L)のオーディオプラグインDigital Glitcherを2.3にアップデートしました。
コントロール系統を一新して音作りがしやすくなってます。
1小節の分割数を設定できるので、4拍子系ループに対して3連符や5連符、6連符のタイミングでエフェクトがトリガーされるようにも設定できます。
グリッチ感を出すコツは、できるだけ信号の下流にプラグインを置くことだと思います。
コンプよりも手前に置いてしまうときれいに音がまとまってしまって、過激なエラー感が出ません。場合によってはマスタートラックの一番最後に挿すのもいいかもしれません。
Digital Glitcherをかけて、フレーズをリアルタイムにグリッチしてます。
このような音は打ち込みや手作業の切り貼りでやるのは非常に骨の折れる作業です。
グリッチの音色を多用するアーティストの多くはMax/MSPを使ってプログラムで音をリアルタイム処理しています。
abletonはmax for liveというMax/MSPをLive内部で利用できる拡張パックを販売しているので、グリッチ好きなかたはぜひ導入をおすすめします。
帯域分割グリッチのプラグイン「ISO Stutter」
M4L ISO Stutter (.amxd file)
https://gum.co/lOqnx
帯域分割して低域や高域だけにかけたりできるのでリズムキープはしやすいと思います。
全帯域にかけるALLツマミもあります。
Ableton側のマスターテンポに対して4分音符や16分音符等の尺で同期してショートループする間隔が決定されるので
ビートがっつりのループや反復主体の音楽では効果的だと思います。
デモ映像
オシレーター波形モーフィングシンセ「M4L Waveformer」
サイン波、三角波、ノコギリ波から矩形波、パルス波まで波形をモーフィングできる上にFM等で変調可能です!
波形モーフィングできるので、それ自体をDAWから制御してLFOやEGで倍音が目まぐるしく変化する音色を作ることもできます。
RizeとFallのつまみで上昇下降の時間を設定し、そのカーブをログカーブか指数カーブかを下のLog/Expつまみで設定します。
さらにこのEGとLFOの波形をORつまみで組み合わせることができます。
ORつまみはRizeとFallが生成する0.から1.フロートシグナルが一定以下の数値に達したときにEGセクションからLFOセクションへと変調が切り替わります。
はじめADのようなエンヴェロープが生成された後LFOに切り替わるシンセというのはモジュラーシンセ以外ではなかなかありません。
生成した制御信号はピッチ、フィルター、波形モーフィング、FMの変調にマッピング可能です。
デモ映像
マルチヘッドテープエコーのシミュレーションプラグイン「REcho」
INTENSITYをあげればきちんと自己発振もします。
発振状態からRATEを回すとワープするような音響も出せます。
テープエコーといえばとにかく劣化、飽和してしまう反復音が魅力。
デジタルディレイとは違い、深いフィードバック(INTENSITY)を伴っても原音を邪魔しません。
Ableton標準でもエコー系のプラグインはありますが、こちらはアルゴリズムが結構違います。
よりローランドのスペースエコーシリーズの実機に近い音色を目指しました。
テンポシンクで特殊波形のトレモロをかけることができる「Amp Modulator」
パルス波の細い波形でトレモロをかけると発生しがちなノイズも抑えるようにしています。
ソロアルバムでも幾つかの楽曲の過激なトレモロで活用しています。市販のトレモロでは切れ味がよくて高速で使ってもボリューム変化に伴うノイズが出ないものは無かったので作りました。
デモ映像
反復の感覚がどんどん短くなっていく特殊ディレイ「Bouncing Delay」
ボールが床でバウンドしていくときに重力の影響を受けてどんどん跳ね返るタイミングが短くなりながら消えていく感じをディレイに置き換えたプラグインです。
あらゆるオーディオファイルが不思議なバウンド空間に生まれ変わります。
1stDelayのパラメータで最初の反射までのディレイタイムを設定、Curveのパラメータで減衰率を決定します。
1にすると通常のディレイのように反射と反射の時間間隔は同じになりますが
値を低くしていくとどんどんフィードバックごとに反射の間隔が短くなっていきます。
幾何学的な波形をAbletonパラメータにアサイン可能なLFO「LFMW」
マスターボリュームをLFMWで制御することや、LFMW自体のパラメータを別のLFMWから制御することも可能です。
M4L LFMW (.amxd file)
デモ映像ではソフトシンセの様々なパラメータにアサインし、テンポに同期した音色の変化を実験しています。
このようにリズミカルで複雑なモジュレーションを作ることが可能です。
楽曲のBPMに同期して音色を変化させることはDAW以降のソフトシンセでなければ難しかったのですが
LFMWを使ってMIDIコントロールチェンジ情報を制御して、MIDIアウトすればハードシンセもDAWに同期したモジュレーションが可能になります。
(MIDIコントロールチェンジを生成するM4Lプラグインがあるかはわかりませんが、知識のある人なら簡単に自作できるはずです)
M4Lなので、どこかのトラックのボリュームに従ってモジュレーションのリズムが変化したり、複数のプラグインを組み合わせた複雑なルーティングも可能です。
アイデア次第でダブステップ以外の分野でもおおいに活用できるアプローチなので、いろいろ探求してみてください。
ver.2.0からCV/GATEのオーディオ出力機能を追加しました。空のオーディオトラックに挿してCV/GATEボタンを赤く点灯させると0. – 1.のユニポーラで電圧を出力します。電圧値はインターフェイス側の仕様に依存しますので場合によってはアッテヌバーター等が必要かもしれませんがExpert SleepersのES-3では0vから10vを出力することを確認しています。大きすぎる分にはオーディオトラックのレベルを下げるだけでアッテネーションがかけられます。
CVアウト機能を使ってユーロラックを制御するとこうなります。
Abletonに完全同期させてモジュラーシンセを制御できるので、コンピュータとユーロラックを組み合わせたいと思っている人にもおすすめです。
無限の持続音を生み出す「SPECTRAL FREEZE」
M4L Spectral Freeze (.amxd file)
使い方は至って簡単、FREEZEボタンを推すだけでその瞬間の響きを写真のように記録し、音を固定化させます。
単に音をストップするのではなく、持続音が鳴り続けます。
ATTACKとDECAYはFREEZEボタンを押すごとにどれだけ滑らかに響きを繋ぐかのパラメーターですが、あまり上げると音質が犠牲になります。
デモ映像を見ればM4L SPECTRAL FREEZEの音の質感がわかると思います。
ソロの歌を多声化させたり、エレキギターで無限のサスティーンを得たり、リアルタイムでも活用できる場面は多いと思います。
ピアノのサスティンペダルと使い分けて、ドローンのように自分の弾いた音を使った持続音を鳴らしながら、音を重ねたりアイデア次第でいろいろ今まで不可能だったことが可能になるのではないでしょうか。
特に声で使ってみると面白いです。
声は最も身近な音色を変えられる発音体なのですが、その好きな音色のときにFREEZEボタンを押せばその響きが固定化されて鳴り続けます。
ジャパノイズ的ハーシュノイズエフェクト「JAPANOISE2.0」
ノイズ系、カオス系のような破壊的な音作りは、かつてのアンダーグラウンドなノイズミュージックの世界の専売特許ではなく、今や一般的になりつつあります。
さまざまな表現の中にさりげなくノイズはちりばめられていると思います。
その中でも、オールドスクールな日本的ハーシュノイズの音作りに特化したプラグインがJAPANOISE2.0です。
M4L Japanoise (.amxd file)
デモ映像にあるようにたった一つのドラムループでもパラメータ次第で様々なノイズへと変化させることができます。
音色の幅という意味では狭いようで非常に広いです。
ギターにJAPANOISEをかけるとこうなります。
シューゲイザー御用達SPX90のリバースゲートをシミュレートした「Shoegazer Reverse Gate」
シューゲイザーサウンドに欠かせない、リバースゲートと呼ばれるYAMAHAのSPXシリーズ独自のアルゴリズムをシミュレートし、ableton Liveユーザーが手軽に使えるようなプラグインを作成しました。
ケヴィン・シールズも使っているのはYAMAHAのSPX-90というラックエフェクターです。
これにしか出せないサウンドがあることは確かですが、メンテナンスしていくのが大変なラックエフェクトを今時買うというのはわりと試練です。
そこで、プラグイン化してしまおうということで作っています。
轟音ギターにこのリバースゲートをかければ音の壁が作れます。
これはリバーブやディレイ、グラニュラーやグリッチなどの最近のリッチなアルゴリズムとはちょっと違って独特の音響効果があります。
ギターにかけるのが一般的ですが、それ以外の楽器で轟音の壁を作ってみるのも面白いのではないでしょうか。
手軽にグリッチサウンドを「Granulation」
Granulationはちょっとしたグラニュラー処理によって入力音をグリッチノイズ化するオーディオプラグインです。
原音と混ぜることも可能です。
ソフトシンセの後に通してもよし、ドラムの後に通してビートを解体してもよし、マスターに差してエラーっぽい響きDJ的に瞬間瞬間で挿入してもよしです。
エフェクター的に使ってみてください。
デモ映像はこちらです。
こういうノイジーな音を作る機能というのはいまいちDAWには搭載されていないケースが多いのですが、abletonならM4Lの機能があるので、Maxユーザーのみなさんは自分で作ってみるといいと思います。
Granulationはディレイを応用したごくごく単純なアルゴリズムから成っています。
アナログディレイの音をシミュレートする「Analog Echo」
デモ映像ではディレイ音が反復するごとにどんどん劣化しているのがわかると思います。
単にフィルターでハイをカットしているだけではなく、ディレイ音はきちんとデザインされています。
そのクセがフィードバックで反復を繰り返す毎に強くなっていきます。
INTENSITYを90%以上にすると音が発振しだします。
発振している状態でRATEを操作すると音のピッチが変わります。
こういう音は飛び道具的にテクノなどでよく使われています。
古いテープのカビくさい音質や、ヨレヨレの音をシミュレーションする「Mellotroner」
質の悪いメロトロンの音をイメージしてます。
これはオーディオプラグインなので、任意のサウンドファイル、リアルタイムオーディオ入力に対してこの効果を出すことができます。
あらゆる音響に音程感を持たせる「Tetra Comb」
コームフィルターというフィルターは周波数特性が一定間隔ので櫛のような形状になるフィルターです。
音楽の世界ではコーラス、フランジャー、物理モデリングシンセに応用されています。
ableton M4L用コームフィルターのオーディオプラグイン、Tetra Combは以下のリンクから入手できます。
M4L Tetra Comb (.amxd file)
音声にかけると独特の金属的響きを伴ってボコーダー的にも使用できますが、原理はボコーダーとは全く違います。
Tetra Combは4voiceあるので、ハーモニーを持たせることも可能です。
ドラムにかけるとピッチが無いはずの打撃音からピッチを抽出できます。
様々な使い方ができるのではないでしょうか。
フィルターFMがかけられる「Biquad Filter2.0」
https://github.com/akihikomatsumoto/M4LBiquadFilter
モジュラーシンセではおなじみのFM領域(可聴域以上の周波数)でモジュレーションをかけるフィルターFM機能搭載のバイクアッドフィルターです。
Q高めでキュルキュルさせるとモジュラーっぽい音になります。フィルターFMというのが意外とソフトシンセでやろうとすると機能が見つからなかったりします。外部からコントロールするにしてもツマミ経由の操作はデータを間引いたりするものなのでオーディオレートでモジュレーションがかからなかったりします。
外部MIDI機器にコントロールチェンジ情報を送るMIDICCOUT (Free!!!)
意外と探してもないので作ったAbletonのダイアル操作をCCアウトするデバイス。
LFMWと組み合わせるとBPMシンクしたLFOで外部MIDI機器を制御できたりします。
使い方は簡単で、出力先を外部MIDIに設定しているMIDIトラックにMIDICCOUTを挟めばコントロールチェンジを追加して出力してくれます。ノート情報等はそのままスルーされるデバイスです。
さらにはRoland Boutique SE-02専用の出力メニューが搭載されたMIDICCOUTSE02もリリースしてます。
MIDI CCは数値指定だと何のパラメータを制御しているのかわからなくなりがちですが、こちらのデバイスはSE-02専用でSE-02のチャートに沿ったパラメーター名でコントロールチェンジ先を指定できます。
BPM同期でシーケンスフィルターをかけられるGrid SEQ Filter
その名の通り小節をグリッドで分割し、グリッドごとにカーブを描きフィルターの動きをBPM同期で制御することができるようになるものです。
カーブのブレイクポイントはグリッドに吸着されます。シフトを押しながらクリックでブレイクポイントの削除、オプションを押しながら上下にドラッグでカーブを変更できます。
Massiveにこのようなシーケンスの機能があったと思いますが、そのフィルター版です。