Akihiko Matsumoto 松本 昭彦

akihiko matsumoto

東京都出身音楽家・インタラクティブプログラマー。東京芸術大学大学院修了。 高岡明、ジョナサン・リー、キャシー・コックスに師事し、現代音楽の作曲や音楽理論、電子音楽の技法を学んだ。2012年に東京芸術大学大学院にて修士(芸術)を取得後、東京大学工学部知の構造化センター研究員を経てアーティスト・プログラマーとして広告の音楽や美術展示、雑誌の執筆から、大学や放送局、自動車メーカー等の研究機関のためのプログラムを開発を行っている。

現象に内在するモデルやシステムに着目し、アルゴリズムを駆使して作品をメタデザインし、音や光、映像などのメディアを横断しながら生成的にリアライズしていく制作アプローチが特徴である。

近年では東京モーターショーのイベント音楽や日本科学未来館の展示音楽等の作曲を手がけており、Max/MSPプログラマーとしては渋谷慶一郎、evala、池上高志、大友良英、飴屋法水、藤本隆行、やくしまるえつこ、坂本龍一+高谷史郎らの作品制作に携わる。

最新CDアルバム

Preludes for Piano Book 1(2016)

http://akihikomatsumoto.com/works/preludesforpianobook1.html (HP)
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Live

Biography

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松本は両親がグラフィックデザイナーの家庭に生まれ、幼少期から父親の弾くギターのエフェクターのリアルタイム操作やスプリングリバーブに振動を加えてアンサンブルに興じていた。

玉川大学時代は調性和声、作曲を当時コロンビア大学から移ってきた作曲家兼音楽理論家の高岡明に師事し、現在にいたるまでの音楽観や美学の面で大きな影響を受けた。

大学卒業後松本はYahoo!JAPANに勤務し、Web制作の仕事を数年行っていたが、平行してトリスタン・ミュライユの弟子であるアメリカ出身の作曲家のJohnathan F. Leeとカナダ出身の音楽理論家のCathy Coxに師事し.ヨーロッパ系、藝大系の指導者が多い日本の作曲界では珍しくアメリカ大学出身者から体系化されたアカデミックな方法で現代音楽の作曲や理論、コンピューター音楽の個人指導を受けた。

東京藝術大学大学院在学中からアカデミックな音楽制作だけでなく、企業の広告、サイネージ等の様々なクライアントワークも開始し、Max/MSPプログラマーとして、渋谷慶一郎、evala、池上高志、三上晴子、大友良英、飴屋法水、藤本隆行(ダムタイプ)、白井剛、やくしまるえつこら、坂本龍一の作品制作に作曲やサウンドデザイン、プログラミングで関わった。

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"LIFE fluid, invisible, inaudible... 坂本龍一+高谷史郎 @YCAM (2013)"

他のアーティストのプロジェクトにおけるプログラミング仕事について松本は、オーケストラの演奏家のように作家とは別の特殊技術者的スタンスで行っており、アーティストの作品を演奏家のような目線から読み取り、演奏技術に相当するプログラミング技術によってリアリゼーションを行っている。これは作曲家が必ずしも演奏がうまくなくては成り立たない仕事ではないという状況を考え、メディアアート作品の作家もプログラミングスキルが高く無ければ成り立たない仕事に陥るべきではないという考えからである。
サウンドプログラマーとして他のアーティストの作品への参加は、松本自身の作家活動とは異なる領域の活動と捉えているが、現代の作曲家が演奏者や指揮者として他の作曲家の作品の実演に携わることと同様に、本人名義では無い場合も重要な芸術的創作活動であると考えている。

2014年は阿木譲氏主催の0gのイベント出演、コンピレーションCDへの楽曲提供を皮切りに、quelltllのアルバム「Mosaic Gold」を7月にリリース、8月にはNoizevilブランドからエフェクター2機種を販売開始、9月には+MUSから待望のソロEP「Metamemory」をリリースした。

作曲家、インタラクティブプログラマーのための個人レッスンも若干名行っている。

制作の相談、依頼、個人レッスンのお問い合わせはこちらから akihiko.japan[at]gmail.com

メタ作曲、メタプログラミング

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ポストヒューマニズムをコンセプトに、アルゴリズム作曲や電子音響処理により最先端の技術を駆使して人間の身体がもたらす制約を極限まで取り払い作曲された12曲入りピアノ曲集CDアルバム「Preludes for Piano Book 1」を2016年リリース。

松本の関心はシステムやアルゴリズムにあり、制作においては、いわゆるメタ作曲のような方法をとっているため、作品によって表面上のスタイルは大幅に変化し、ときにはプログラミングによって個性や作家性すら超越した生成音楽、音響を制作している。Max/MSPは松本の制作において核になるソフトウェア、プログラミング環境であり、コマーシャルな作曲以外のほぼすべての作品で使用している。

Violix (2005) は人間の作曲とコンピューターの自動作曲、1人のバイオリニストとリアルタイム音響合成の組み合わせから成り立っており、通常のライブエレクトロニクス作品とは異なる作品である。
その他、Tran(2007) は無調音楽の分析理論であるピッチクラスセットセオリーを創作に応用し、Gran(2007)はスペクトル楽派の技法とセットセオリーを組み合わせ、スペクトラムのクラスを和声進行のように扱うなど、西洋音楽には無い新たなスタイルを模索している。
セットセオリーのメタプログラミングによる楽曲のリアルタイム作曲はNODE砂漠の老人(2012)でも利用され、バイオリニストの辺見康孝の即興演奏と組み合わせ実験的な技法を舞台音楽で試みている。MI7 によるインタビュー

2014年+MUSより7曲入りEP"Metamemory"を発表。様々なアルゴリズミックな作曲アプローチを現代音楽とは全く異なる音楽へと展開している。

作品解説

http://plumus.tokyomax.jp/release/mus-012

Comment from Takayuki Fujimoto (DUMBTYPE, Kinsei R&D)
"これらの音楽のために収集された過剰な音素は、一律の面というよりは網のように繋がりつつ積み重なっていき、その編目のそこここから接続を待つ炭素の腕が 飛び出している。それらのレイヤーは不透明で、重なりは直視出来なくても、その表面には下に隠されたモノの凹凸が浮き上がる。 そこには、線的に伸びるモニュメントというよりは、有機分子モデルのアシンメトリーな規則性と複雑さがあるようで、その構造をリズムがオーバードライブするというよりは、冷徹に切り刻んでいく。 その溢れる音の中でも手触りが感じられるのは、Akihiko Matsumotoがネイティヴなプログラマーなうえに、確たる音楽的教養を持っていることの証だと思う。 彼の最新作「Metamemory」は蓄積された莫大な情報に振り回されることなく、その中を泳ぎ回るような作品となった。 "

インスタレーション

コンピューターや様々なデバイスを利用して、音楽という形式に収まらない音や光など異なるメディアを同期させたインスタレーションも松本の特徴である。

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"音波-光 AMP with 藤本隆行@Smart Illumination Yokohama(2014)"
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"照明インスタレーション@六本木ヒルズクールジャパンオフィスエントランス(2013)"
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"Artificial Scape @Bank Art (2012)"

シェンカー理論と自動生成

2009年のMinimalist StyleはiPhoneをシェイクすると音楽が進行するインタラクティブなミニマルミュージックであるが、その土台となっているのはシェンカー理論で抽象化されたミドルグラウンドの音列と、それをサーフィスレベルにリアライズするアルゴリズムである。松本は現代音楽の分析理論から着想した作品も多く、講師を務めるワークショップ等でも創作のために、音楽に限らずさまざまな現象の分析を論理的に行うことを重視している。

1サンプル単位の音響生成プログラミング=コンピュータ時代の作曲

松本はデジタル以降のサウンドは楽譜の音符一つ単位よりももっと細かい、1サンプルレベルまで制御が可能になっており音色も連動している点に着目し、サンプルのアルゴリズム生成、すなわち音響合成を作曲と同等にとらえている。この考え方を応用した自律的シンセサイザーのLogistic Map のMax/MSPパッチがMI7のユーザー登録者に無償配布されている。

インタラクティブプログラミング

人間とコンピューターとのインタラクションから即興的に音楽を構築するようなシステムも松本が得意とする表現である。楽器、演奏、作曲という境界線がシームレスに繋がることで生まれる独自の音表現を探求している。

作曲以外の表現技法の開拓をコンセプトとするquelltll

2013年から作曲しないことで音楽における作曲以外のクリエイティブとは何かということを探求し、文脈依存の現代音楽への疑問、新作が求められにくい時代における音楽のありかたを探求するquelltllというグループを立ち上げる。

伝統的なクラシック音楽やバロック音楽、ルネサンス音楽を題材にし、歴史的作品をquelltllの目でリメイクし、現代的にアップデートしたセカンドアルバムdying dotsがMicrogliaよりリリース!ジュークやグライム、トラップなどのベースミュージックのビートを土台にメタリックなギターが絡み合う新種の音楽

quelltllブログ


quelltllのBLACK PEAKSはメンバーが恣意的にセレクトした古今東西様々な音楽の断片をアルゴリズミックに再構築しており、半分予測不可能な音楽が生成される。

https://quelltll.bandcamp.com

プロダクト

松本が開発するアナログ回路による製品は主にギタリスト向けのエフェクターとしてnoizevilブランドで販売を行っている。どこまでが音楽でどこからがノイズか、どこまでが作曲でどこからが演奏かという境界線を根本から考え直すことをコンセプトにした音楽機材である。

その他の活動抜粋

May, 2017

Eye tracking programming for SEGA new CI.Amazing SEGA Web

Jan, 2017

Algorithmic Composition Workshop @ MI7

Dec, 2016

国立音楽大学講義

Nov, 2016

CD Album released Preludes for Piano Book 1

Nov, 2016

Installation @ InterBEE 2016 池上通信機

Aug, 2016

Sound Design Workshop for SSDS

Oct, 2016

quelltll EPBLACK PEAKS EP1

Jun, 2016

Sound design assistant for LOUIS VUITTON : DANCE WITH AI

Jun, 2016

Programming and composition"Hearing Things #metronome with evala and Ray Kunimoto" @東京ビックサイト

Mar, 2016

Sound Programming and composition"くらやみ美術館" @市原湖畔美術館

Sep, 2015

Sound Engineering for BCL "Ghost in the Cell" @金沢21世紀美術館

Sep, 2015

quelltll 2nd album "dying dots"

Mar, 2015

22.2ch System Programming for NHK (with acousticfield)

Nov, 2014

Sound Programming for 大友良英 "音楽と美術のあいだ" @ICC

Oct, 2014

"音波-光 AMP" with 藤本隆行 @Smart Illumination Yokohama(2014)

Jul-Oct, 2014

サウンド&レコーディングマガジン連載

Jan, 2014

Multi-Angle Auto Surround Mixer for NHK (with acousticfield)

Nov, 2013

Music for mobility scape tokyo 2013 (with evala)

Nov, 2013

LED Light Programming @ 六本木ヒルズクールジャパンファンド

Nov, 2013

Sound Programming "LIFE fluid, invisible, inaudible... "(坂本龍一+高谷史郎) @ YCAM

Sep, 2013

Sound Programming and Composition for "Node 砂漠の老人" (藤本隆行, 白井剛) @ 香港文化中心

Sep, 2013

Sound Programming for やくしまるえつこ @ 豊田市美術館

Aug, 2013

Sound Programming and Composition for "Node 砂漠の老人" (藤本隆行, 白井剛) @ あいちトリエンナーレ

May, 2013

Sound Programming and Composition for "Node 砂漠の老人" (藤本隆行, 白井剛) @ 神奈川芸術劇場

May, 2013

Max/MSP付属アーティストパッチの提供とインタビュー via MI7

Mar, 2013

Sound Programming for "Node 砂漠の老人" (藤本隆行, 白井剛) @ LIG Art Hall Seoul

17, Sep, 2012

Sound Programming for "Node 砂漠の老人" (藤本隆行, 白井剛) @ BankART NYK

26, Aug, 2012

Realtime Remix for 芥川作曲賞 w. ヲノサトル @ Suntory Hall

29, May, 2012

Installation by 飴屋法水, 大友良英 (Max/MSP,DMX Programming) 水と土の芸術祭 @ Niigata

29, May, 2012

Installation Sensing the Sound Web @ Gallery7 w.岡瑞起,池上高志

21, Apr, 2012

Video Programming for 池上高志 Sonar Sound Tokyo @ ageHa / Studio Coast

11, Mar, 2012

Video Programming for 池上高志BRDG#5 @WWW

10, Mar, 2012

Programming Assistant for evala世界の終わりのものがたり~もはや逃れられない73の問い @日本科学未来館

13-27, Feb, 2012

Installation Sound Bookshelf @ 青山ブックセンター

7-15, Jan, 2012

Audio Visual Installation Geidai Sentan 2012 @ BankART

9-18, Dec, 2011

Programming Assistant for 三上晴子 Eye-Tracking Informatics @ICC

19-, Nov, 2011

きみたちの魔法-化学『新』発見 @ 日本科学未来館

27-, Sep, 2011

Scratching the Soundwall w. 池上高志, 大山エンリコイサム @ VACANT

14-15, May, 2011

"Arts Action 3331" 7.1ch Sound Performance w. 池上高志, 大谷能生 @ 3331

15, Apr, 2011

Spring Ephemeral (新津保建秀, 早見あかり) Binaural Sound Programming @ Foil

19, Feb, 2011

REDZONE2011 "SOUND ART" Live performance

10, Feb, 2011

LED Programming and Video Design for グラインダーマン @ 神戸アートビレッジセンター

23, Dec, 2010

Vidio System Programming for 池上高志 (Harajuku Performance+)

4, Dec, 2010

Concert at 昭和音楽大学

6, Nov, 2010

Live performance at Loop-Line

25, Oct, 2010

Video Installation at 東京藝術大学

4, Oct, 2010

Programming Assistant 《for maria anechoic room version》for 渋谷慶一郎, evala @ICC

6, July, 2010

Live performance at Asahi art square with 池上高志, 河村美雪.

30, May, 2010

Workshop with LC Creative in Japan

May, 2010

Nike Stadium Tokyo, Programming Assistant for 渋谷慶一郎, evala

Apr, 2010

SonificAtion work with 一ノ瀬響, 三浦均

Akihiko Matsumoto Demo Tracks

メディア

ライターとしてウェブ上で音楽やイベントのレビューを行う他、サウンドレコーディングマガジンでたびたび作曲や音響プログラミングに関する技術的な解説記事を執筆している。

サウンド&レコーディングマガジンMAX6で作る自分専用xパッチ(2014/1月号)

Sound & Recording Magazine (サウンド アンド レコーディング マガジン) 2014年 01月号 (小冊子付) [雑誌]
サウンド&レコーディング・マガジン編集部
リットーミュージック (2013-12-14)

サウンド&レコーディングマガジン連載
DAW AVENUE LIVE9(2014/7-10月号)

Sound & Recording Magazine (サウンド アンド レコーディング マガジン) 2014年 07月号 [雑誌]
サウンド&レコーディング・マガジン編集部
リットーミュージック (2014-06-13)
Sound & Recording Magazine (サウンド アンド レコーディング マガジン) 2014年 09月号 [雑誌]
サウンド&レコーディング・マガジン編集部
リットーミュージック (2014-08-12)
Sound & Recording Magazine (サウンド アンド レコーディング マガジン) 2014年 10月号 [雑誌]
サウンド&レコーディング・マガジン編集部
リットーミュージック (2014-09-13)

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