quelltllの2ndアルバム”dying dots”リリース

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quelltllのニューアルバムdying dotsがリリースされました。
配信先はamazon、iTunes Music Store、beatport、OTOTOY、LINE MUSIC、Bandcamp等です。

高音質ダウンロードしたいかたは非圧縮のwavでダウンロードができるBandcampかOTOTOYへ!
http://ototoy.jp/_/default/p/54816

Bandcampではダウンロード時にAIFFかWAVを選択すればハイレゾスペックの24bit 96khzで聴くことができます。Bandcamp用音源はハイレゾ用にマスタリングしているので圧縮音源をダウンロードしてもApple等でリリースされている音とはやや違います。
https://quelltll.bandcamp.com/album/dying-dots-24bit-96khz

appleから購入されるかたは以下から!
ちなみにapple musicにもアップされてますので、そちらも検索してみてください!
https://itunes.apple.com/jp/album/dying-dots/id1027043101

アマゾンでは以下からダウンロード購入が可能です。
http://amzn.to/1hDFfHE

dying dotsは音楽という芸術を、作曲という創造性に向き合った時に、現代の音楽にとって作曲という行為の創造的比重はどこまで大きいものなのか、どこまでアートとしての個性に寄与しているのかを見つめ直すため
あえて作曲行為を封印し、伝統的なクラシック音楽やバロック音楽、ルネサンス音楽を題材にし、歴史的作品をquelltllの目でリメイクし、アレンジという部分に徹してどこまでquelltllの個性を発揮できるか、過去の楽曲を現代的にアップデートしたコンセプチュアルな作品になります。

しかしながら、ありきたりな現代音楽っぽい曲調にせずに、芸術音楽のリスニング層とはおおよそ違うような、最新のビートを軸としたクラブミュージックのアレンジを施しています。
これはどうしても前衛音楽をやると陥りがちな、同業者しかリスナーがいない状態を避けたかったからです。
これはakの東京芸大時代の現代音楽の作曲から続く課題です。
難しい抽象的なアイデアを難しい音で音楽化するのではなく、できるだけわかりやすく難しいことを表わすことをquelltllでは大切にしています。

音楽の作曲において、伝統的に単に音を選ぶというという行為は作る、ゼロから生み出すという行為と比べると、非創造的とされ、軽んじられる傾向があります。
音楽系大学出身者なら一度は君のやってることは作曲ではなく音選びだと指導されたことがあるのではないでしょうか?
しかし、コンピューター上にプログラムを組むことで一つのアイデアから様々なバリエーションを瞬時に生成することも簡単になった現在、作曲においても一層選ぶという行為の創造的比重は高まり重要性は増しています。
早い話が同一のスタイルの100曲を作曲するときに、1から音符を書いて100曲を書き終える以上の速さで、楽曲のロジックをアルゴリズム化してしまい、プログラムに生成させてしまえば10000曲の中から選りすぐり100曲を選ぶことだってできます。
この場合、選ぶという行為はそんなに軽んじられることではなくなってくることは想像しやすいと思います。

quelltllでは選ぶという行為にフォーカスし、選ぶという行為の芸術的側面を追求することでも、ゼロから作曲するときと同様の作家性、オリジナリティーを打ち出すことは可能なのではないかという仮説を元にdying dotsを完成させました。
dying dotsは原曲だけでなく、あらゆるフレーズが著作権に触れないパブリックドメインの範囲の既存の音楽から引用されています。
quelltll流の2次創作はこういったアプローチになります。
創作しない創造性の追求というのは実は作曲以上に難しく、セレクトの軸がぶれると作家性がバラバラになり一つのアーティスト作品としては作風が散漫になるのは何となくイメージできるのではないでしょうか。

そんな無謀な挑戦もあり、コンセプチュアルな面ではノリ一発の感覚的なダンスミュージックの手法とは違うのですが、前衛の現代音楽とは全く違う形で西洋音楽の現在進行形を提示できればと思っての構成になっています。

音楽という概念は時代とともに刻々と変化していって更新する必要がある部分も出てくるのですが、現代音楽というジャンルの表現が指す固定観念も更新し
現代性を形骸化させずに、新しい表現を追求したいという願いがあります。

もしもクラシック音楽に全く精通していない人たちがクラシックの入り口としてquelltllを捉えてくれたら嬉しいですし、逆に、原曲のほうが全然よかったという意見があってもいいと思います。
みなさんが、音楽とは何だ?作曲ってなぜ重要なの?と考えるきっかけを作れれば幸いです。

quelltllの音楽は最初からポータブルで圧縮音源で聴かれることをかなり意識しています。というか、そういうふうに構えずに音楽を聴く客層に対する音楽って、現代アート界隈では普通やらないので、そこに切り込みたかったのがあります。

音楽家という職業は自己満足では成り立たないので、必ず誰かのために作品を献上していくわけですが、それが芸術としての音楽作品の場合、教会、宮廷、ブルジョワと変遷していて、今は大学とかがパトロンみたいになったりしてますが、大衆に向けてできることはもっとあるだろうという挑戦です。

そういう意味で吟遊詩人の音楽から続く世俗音楽とか商業音楽、ポップミュージックとは文脈がぜんぜん違うのですが、それでも近い表現に持って行って、近い客層に対して音楽って作れると思うんですよね。基本的に前衛、現代音楽を取り巻く環境の問題意識としてけっこう大真面目にやってます。

だからquelltllでの張り付くような高音暑なマスタリングをはじめ音響技術的挑戦っていうのは、それを目的にしているわけではなく、あくまで、自分たちの表現、芸術とそれを聴取する人たちの間を繋ぐための解決策として開拓している面があって、これからももっとスマートな解決策が見えたら、違う技術を使っていくと思います。

https://itunes.apple.com/jp/album/dying-dots/id1027043101

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今回はKS Digitalのモニタースピーカー COAX C8を使ってミックスしているのですが、超低域から超高域までレンジが広いquelltllの音楽と相性はバッチリでした。
96khz/32bitで製作しているので、高音圧ながら淀みないクリアなマスタリングになってます。

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冒頭1曲目で使っているガットギターは1850年代に製造されたC.F. Martinの3-17というギターです。
現代の大型ナイロン弦ギターとは全然違うコンパクトな響きがリュートやバロックギターからの発展を感じさせます。

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アンプはダウンチューニングのハイゲインにはポジティブグリッドのソフトウェアであるBIASをプリアンプに使用し、マーシャルの2551Aシルバージュビリーキャビネットから出力、クランチ、クリーンはマッチレス DC-30を使っています。

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一部のクランチ、クリーンではフェンダーのブルースデラックスも使ってます。スピーカーはジェンセンに交換しており、ミドルが張り出した50年代のツードトーンから、パキっとした高域が出るブラックフェイス以降のツインリバーブのような音まで幅広いポテンシャルがあります。

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ギターはダウンチューニングのリフではマホガニーのストラトを中心に、シャープなクランチではヴァンザントのトゥルーヴィンテージを搭載したレギュラーチューニングのアッシュのストラトも使用しています。

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10曲目ではギブソンのES-175 P90仕様を使ってメイプル特有のコシのあるクリーントーンを作っています。

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ペダルは膨大に利用していますが、トレモロはストライモン、リバーブはイーブンタイドを利用しています。

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1曲目中間で出てくるフランジャーは往年のYAMAHA SPX90、4曲目のコーラスはSONY DPS M7のような80年代から90年代にかけてのオールドラックマウントのエフェクターも積極的に使用してます。

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ソフトウェア環境はCycling74 Max7、Ableton Live、オーディオインターフェイスはRME Fireface UCでレコーディングしています。